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Memory of Night 2
第39章 幸福の形

 千鶴の学生生活は、端から見れば上手くいっていた。成績もそこそこ、彼氏が途切れたこともない。友達も多かった。教師や先輩に可愛がられ、後輩にも慕われた。
 幸せだったはずなのに、何かが上手くいかなかった。浅く広い付き合いばかり繰り返すが、クラスが変わっても付き合の続く友人はいない。
 親友もいない。彼氏も途切れたことはないが、長続きしたためしはない。コロコロと付き合う男が変わる千鶴は、遊び人だと思われていた。
 でも違う。全部本気なのに、別れを告げられるのは九割がた相手からだった。
 結婚、子供、家庭。漠然とした理想はあった。その理想から、自分はほど遠いような気がした。いつも不安や焦燥にかられ、ただ漠然と幸せを手にしたかった。中身はきっと空っぽだった。埋めようと必死になるほど相手への依存は増していき、重いと言って振られてしまう。そんな交遊関係を幾度となく繰り返した。
 高校を卒業すると同時に、千鶴は上京した。東京の大学進学のため東京に行く恋人を追っての上京だったが、今までと同じで長くは続かなかった。それでも一年と少し。過去の恋愛と比べると一番長かったが、最後の四ヶ月はほとんど会っていなかった。彼氏がホストクラブで働き始めたのだ。昼間は大学、夜はホスト、会える時間はほとんどない。
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