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Memory of Night 2
第41章 タイムリミット

 ふらりと、不自然に崩れていく千鶴の体を宵は抱きとめた。だらんと全身の力が抜けてしまった彼女の体は、ずっしりと重い。
 意識を失ってしまったのか、呼びかけても反応がなかった。
 長く話をさせすぎてしまった。
 宵は千鶴の口元に耳を寄せた。呼吸はしているし、生きている。
 とりあえず地面に寝かせ、ペットボトルの下に置いていたスマホを掴んで千鶴を照らした。明かりになるものは、今はこれと、千鶴自身が持っているはずのスマートホンしかない。
 土や岩に覆われた洞穴は、この光源が無くなれば自分の手元さえ見えないほどの真っ暗闇だった。
 宵は千鶴の手に触れた。甲や手のひらは、驚くほど冷たい。スマホで照らしながら頬にも触れたが、そちらも同じように冷たく、血の気が感じられないほど青白かった。
 その様子に、嫌な胸騒ぎがした。
 宵は毛布替わりに彼女にかけていたウインドブレーカーを退け、千鶴がしきりに抑えていた左の脇腹にライトを当てた。
 瞬間、息をのむ。
 彼女の紺色のトレーナーは、黒く変色していた。おそらく血だ。鉄錆びのような匂いが鼻をつく。
 宵はそっと、トレーナーをたくしあげた。
 千鶴が下に着ていた白いティーシャツは、真っ赤だった。
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