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Memory of Night 2
第41章 タイムリミット

(こんなに、出血してたなんて……)
おそるおそる、ティーシャツも捲る。洞穴が崩れた時にその破片ででも切ったのか、肉が裂けていた。深い傷ではないが、確実に血は流れ続けている。
そのまわりは紫に変色していた。
宵は思わず顔をしかめた。想像していたよりも、ずっと酷い怪我だ。
骨が折れている可能性や、内蔵が傷ついている可能性だってある。
こんな時どうしたらいいのかなんてまったくわからなかったが、とりあえず血は止めなければ、と思った。
宵はアメリアのバッグに入っていたハンドタオルを千鶴の傷口に強く押し当てた。ショルダーバックの紐を外し、背中を通して二重に巻いて、きつく縛る。
「う……」
痛みによるものなのか、千鶴は小さく呻き声を漏らした。だがそれは一瞬で、目を開くこともなかった。
今さらこんな付け焼き刃な処置をしても、効果があるのかはわからない。やり方が合っているのさえわからなかった。
それでも、このまま何もせず死なせてしまうのは嫌だった。
処置を終え、壁際に彼女を寝かせウインドブレーカーをかけた。呼びかければもしかしたら意識を取り戻してくれるかもしれないが、その先に待つのが明るい未来とは限らない。

