この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第42章 入院生活

 そのあとすぐに晃は部屋を出ていき、下の売店で下着などの着替えを買ってきてくれた。暇を持て余さないようにと、テレビに差し込めるイヤホンや甘くない煎餅などの菓子も。荷物も、余分なものは抜き、帰るとき用の服だけ置いていった。看護師によると、救急車で搬送されたあと、宵のバックを病院に届けてくれたのは晃らしい。貴重品は、入院の時にすでに別にまとめて渡されている。
 なんてマメなのか。もはや恋人というよりオカンのようである。
 そうして軽い挨拶と共に、晃は病室をあとにした。駅に直接向かい、ローズの人たちと新幹線に乗るという。
 晃が家に帰り、ほんの少しの期間でも勉強に専念できたらいい。
 宵自身は受験は諦めていた。利き手が使えないのは厳しい。手術になる可能性だってあるし、たとえならなくても、リハビリに二ヶ月ほどかかるだろうと言われた。
 どうしても進学したいわけではないし、晃のように明確な夢や目標があるわけでもない。別にいいかな、と思っていた。
 そして、夜。病院の消灯時間は早い。だが宵は、鐘の音で目を覚ました。

(除夜の鐘って、病院でも聴こえるんだな)

 どこの寺からのものなのかはまったくわからないが、鐘の音(ね)は不思議と心地よかった。
 まさか、病院で年越しするはめになるとは思いもよらなかったが。
 ベッドを下りカーテンを開けると、澄んだ夜空に月が浮かび、綺麗だった。
 総合病院の三階。地元からは遠く離れた雪に彩られた町は、自分が見てきた風景とは違っている。宵はしばらく窓から外を眺めていた。
/861ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ