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Memory of Night 2
第42章 入院生活

「さて、そろそろ部屋に戻ろうか。看護師さん来ちゃうとまずいし」

 亮は千鶴の首から手を離し、千鶴の体を支えて立たせた。
 物置のような部屋を出て、ゆっくりと歩きながら、千鶴は気になることを聞いた。

「……なんで急に、そんな心境になったわけ? その記事が出たから? それとも、二店舗目を出す時にそうしようって決めてたの?」
「まあ、どっちもいいタイミングかなとは思ったけど」

 亮はわずかに、言葉を選ぶような間をあけた。

「正直、どうしようか迷ってた。このままの関係でも僕はいいと思ってた。でも……」

 亮の切れ長の瞳が自分を見ている。瞳の中にあるであろう真意が、千鶴にはわからなかった。

「宵くんにたきつけられちゃってね。さっき」
「……宵に? なんて言われたの?」
「それは言えないよ。男同士の秘密の話さ」

 どんなだ、と思う。宵と言えば、勝手にクビにしないんですかと、余計なことを吹き込まれた恨みがあった。気持ちが落ちてしまい、自ら納得しかけるも、よくよく考えてみればあいつにそんなことを言われる筋合いはないはずだ。そう思うと腹も立ってくる。

「宵くんて多分、君のことかなり好きだと思う」
「まあ、好きだろうね」

 そこに恋愛絡みの感情は一切無いだろうが、好かれている気はしている。

「ーー千鶴の幸せを、誰より願ってくれてるよ」

 千鶴は目を閉じた。そうしても、少し座って休んでいたからか、支えが隣にいるからか、もうぐらぐらと揺れることはなかった。
 これから先しっかりと前を見て、きっと歩いてゆけるーー。

「あ、本名」
「いいだろもう、源氏名じゃなくても」

 二人はゆっくりと、宵が待つ病室を目指し歩を進めていった。
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