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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

共通試験は土日の二日間にわたり行われるが、宵が受ける科目は国英社の三科目なので、土曜日だけで良かった。
正直、ずっとベッドで過ごしていた身としては一日だけでもかなり体力や精神力を使ったので、土曜日だけの受験で済んで良かったように思う。
義理の父である弘行が自己採点をしてくれたが、目指していた公立の大学にはギリギリ射程圏内だった。
この科目数だと受けられる国公立は限られる。他の選択肢は考えていなかった。滑り止めの私立も受けず、最初に決めていた公立の経済学部一本で勝負することを決めていた。
「ずいぶん大胆な受験方法を選ぶな。まあ、やりたいようにやったらいい」
「うん、まあ落ちたら落ちたで」
包帯を巻き治してもらいながら、宵は答える。
宵くんらしいと、弘行も笑った。
東北の病院から地元に帰ってきても、まだ一人で生活は難しい。弘行に事情を話し、志穂と弘行が住んでいるマンションでしばらく世話になることになった。
突然の大怪我報告に最初はかなり驚いていた弘行だったが、亮と示し合わせた通りに説明し、どうにか信じてもらったのだった。
正直本当に信じてくれたのかは疑問だが、受験前の大切な時期ということもあり、それほど根掘り葉掘り聞かれることはなかった。
マンションには弘行だけだった。志穂はつわりが酷く、入院しているという。子供を産む時にはいろいろな理由で入院することは珍しいことではないらしく、心配しなくて大丈夫だと弘行は言った。
医者である弘行がそう言うなら、きっと大丈夫なのだろう。だったら、と思う。志穂には怪我のことは黙っていてもらうことにした。
予定日は二月末だそうだ。出産間際の大切な時期に、要らぬストレスを与えたくはない。それには、弘行も同意してくれたのだった。

