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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

共通試験が終わった翌日の夜、晃から電話があった。試験前の数日は、電話は無視していた。理由は簡単で、試験勉強に集中してほしかったからだ。東北から帰って宵が受験する旨を伝えたら、介護でもしに来かねない。だから受験はしないと伝えたまま撤回しなかったし、どうにか退院が決まった時も何も言わなかった。
今はただ、晃自身のことに集中してほしかった。だが、そういった心配や配慮は必要なかったらしい。共通試験の総合点は過去問や模試の中で最高だったらしく、数学と英語に関しては満点らしい。
「……なんかもう驚かねーや」
「宵が連絡無視するから、気になって勉強が手につかなかった」
「無視してねーじゃん、電話は出なかったけどメールは返してたし」
「足りない。ーー会いたい」
スマホ越しに響く晃の声は、切なさを帯びていた。そんなふうに求められれば、心が靡かないはずもなかった。
本当は自分だって会いたい。退屈な病院での生活の中、何度そう思ったかわからない。地元に帰ってきた時も、真っ先に晃の顔が見たかった。晃のことだ。弘行たちが住むマンションに帰ってきたと伝えれば、それが例え夜中だったとしても会いに来てくれただろう。
「……宵?」
不安げな声に、我に返る。

