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Memory of Night 2
第45章 卒業

 翌週の月曜日から宵は学校に通い始めた。戻ったはいいが、三日ほどで三年生は家庭学習期間に入ってしまうという話を明から聞き、複雑な気分になる。

「もう学校無理して来る意味なかったじゃん」
「そんなことはないけどね。卒業式まで来ないかと思ったわ」

 後ろの席の明が言う。
 隣の席にいた大山も頷いた。

「二月頭から家庭学習期間に入る学校も多いみたいだけど、うちの学校遅いくらいだよな」

 もう二月の中旬に差し掛かろうとしている。卒業式は三月の頭なので、半月ほどしか家庭学習期間はないことになる。

「あ、そうそう! 俺もおまえと同じ大学受けることにしたから!」
「へー、そうなんだ」
「……反応うっす!」
「だって俺、受かるかわかんねーし」
「ねえ弱気! そんなんじゃ受かるもんも受かんないよ! 気合いが足りない!」
「だーかーらー、おまえそもそも受験しねーじゃん」

 しないやつに説教されても、と思ってしまう。

「受験はないけど、俺と一緒に勉強してるぞ、いつも」
「あんたが教えてって言うから、勉強みてあげてるだけだけどね」
「ずる、そんなん最強の家庭教師じゃん」

 明は常に成績上位。面倒見がよく教え方も上手いので、プライベートで付き合っている大山は、強い。
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