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Memory of Night 2
第50章 episode of 0
外で灯油を入れて戻ってきた際、桃華は一度、写真に手を伸ばした。わずかに持ち上げ、またもとの位置に置く。
ーー一瞬、写真立てを伏せようとしたように見えた。
開けたままの押し入れの戸を閉めようとする桃華に、秋広はつい声をかけていた。
「その写真、見てもいいですか?」
「これ?」
桃華はわずかに首をかしげるも、秋広に妹の写真を渡してくれる。
近くで見ると、やはり桃華には似ていない。セミロングの茶髪でたれ目。にっこりと笑っている顔は、可愛らしいがどこかあざとくも見える笑顔だった。
桃華の顔をちらりと窺う。黒い短髪と灰色の瞳。真っ白な肌。顔立ちもそうだが雰囲気自体まったく違っていた。
「似てないって思ってんだろ?」
ストーブを部屋の隅に起き、部屋全体が暖まるようにしてからちゃぶ台に戻ってきた桃華は、意地の悪い顔で言う。
「いえ……はい」
「どっちだ」
否定しようと思ったが、やはりどう見直しても似ていない。
「似てないよ。外見だけじゃなく、性格だってあたしとは全然違う。……妹の方がずっと女の子らしくて、世渡り上手だ」
「東北にいるんですか?」
「……いるんじゃない?」

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