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Memory of Night 2
第50章 episode of 0
「ーーあれ、最近香椎さんち行ってないんだ」
二月の末近く、相澤から連絡があった。
相澤とは年末の忘年会以来だった。
唐突な話題に心臓が音を立てる。
「別に、用事もないし。……ガス引いたって言うし」
「ガス? なんだそれ」
はっ、と笑い飛ばされる。確かに、ガスを引いたかどうかはあまり関係ないかもしれない。
「最近、俺が香椎さんに仕事教えるてるんだけど、髪だいぶ伸びてきてさ」
「……髪?」
「ヘルメット取った時とか、ちょっとドキッとした。すっげー美人だよなぁ」
相澤の言い方は、どこか下品だった。
「……奥さんと子供、いるだろ?」
「別にちょっと眺めるくらいいいだろ? 何も手を出そうってわけでもねえし」
「そういう言い方は……」
じろじろと、異性を見るのはよくないと秋広は思う。結婚前の相澤を秋広は知っていた。
一人に決める前は、それなりに遊んでいたようだったし、会社の人間と夜の店にもたまに行っていた。
妻子がいる今の状況で桃華に手を出すようなことはしないと思うが、相澤の言い方は秋広には不快に感じられた。
「俺も料理作りに香椎さんち行ってみようかな」
「……っ」
秋広は携帯を耳に当てながらついつい前のめりになった。
「嫌がられるかな」
「…………」

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