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Memory of Night 2
第50章 episode of 0

 次の週、桃華の家に行かなかった。彼女からの呼び出しもなかったが、秋広はついいつもよりも高い頻度で携帯を開き着信を確認していた。それに気付いたのは夕方で、無意識に連絡を待ってしまう自分にも戸惑った。

(ガスも引いてたし、行かなくても大丈夫……だよね)

 彼女が自炊するかは怪しいが、いつでもできる環境になったのだ。
 毎週毎週おせっかいに自分が行って昼を作らなくても、困りはしないだろう。
 もともと桃華は困っていたわけではない。頼まれたわけでもないし、秋広が勝手にやっていただけだ。
 故郷を飛び出し、ずっと一人で生きてきたという。桃華なら、これからもそうやって生きていけそうな気がする。
 最初は本当にただの親切心のつもりだった。だが今自問すると、何度も桃華の部屋に行くうちに、多少なりとも下心が生まれてしまっていたかもしれない。土曜日が待ち遠しく、彼女に会いたいと思ってしまった。
 その気持ちにも行動にも、先はないだろう。そう思うと、虚しい。
 結局しばらく彼女の家に行かなかった。
 桃華が働く現場からも、特に連絡は来ない。なんのトラブルもなく働けているようで良かった。
 現場に行く用事も特に無い。
 そうして桃華と会わないまま、二ヶ月が過ぎた。
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