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玉蘭花の香り
第2章 結婚のち別離、そして再会

駿も優子さんも学校からは去ったが、
とても学校には戻れる気もしなかった。
結婚披露宴自体、無かったことにしたかったが、
あまりにも盛大に執り行った為、
そう言う訳にも行かなかった。
勿論、参列者にはお詫びを兼ねて、
自分や父から事情を連絡したが、
そうでない人たちの方が厄介だった。
また、後日発覚した淫行事件についても、
顔や名前こそ匿名ではあったが、
テレビのワイドショーを賑わせ、
一部ネットでは、本名や顔写真が流出していた。
その中には、駿の婚約者として自分の写真なども混ざっているようだった。
そんな中、ロンは時々、LINEをくれていた。
新しい店舗のインテリアのこと。
新茶が出始めたこと。
気温が35℃を超えたこと。
美味しい店を見つけたこと。
そんな他愛無いことを書いてきたり、
写メを送ってくれた。
「結婚式は終わりましたか?
お幸せに」と書いてあるのを見ても、
何と言えば良いか判らず、返事も書けなかった。
ロンになら、
話を聞いて貰えそう。
そう思って、夜中に、
「電話しても良いですか?」とLINEした。
すると、直ぐにLINE電話がかかってきた。
「美香さん、お久し振りです」
ロンは穏やかな優しい声でゆっくり話をする。
「お元気ですか?」
「はい。元気です。
ロンは元気だった?」
「…美香さんに会えなくて元気じゃなかった」と、
真面目な声で言うので、笑ってしまった。
「旦那さんは、近くに居るんですか?」と訊かれたので、
「結婚、しなかったの」と答えると、
「えっ?どうして?」と言った。
「あのね、結婚式の日にね、控え室で女の人と…
えっと、浮気してたの。
それまでも、その2人付き合ってたのに気がつかなくて。
他にも浮気してたのが判ってね。
結婚を辞めたの」と話していたら、
情けなくて泣いてしまった。
「美香さん、大丈夫ですか?」
「同じ学校の教師だったのね。
結婚予定だった人も、その浮気相手も。
だから、学校も行きたくなくて、休んでずっと家に篭ってるの」
「可哀想に…」
「でも、ロンに聞いて貰ったら落ち着いた。
聞いてくれてありがと」
「僕、美香さんの力になりたい」
「大丈夫。LINEくれたり、話を聞いてくれるだけで、
たくさん力をくれてるから。
ロン、ありがとう」
とても学校には戻れる気もしなかった。
結婚披露宴自体、無かったことにしたかったが、
あまりにも盛大に執り行った為、
そう言う訳にも行かなかった。
勿論、参列者にはお詫びを兼ねて、
自分や父から事情を連絡したが、
そうでない人たちの方が厄介だった。
また、後日発覚した淫行事件についても、
顔や名前こそ匿名ではあったが、
テレビのワイドショーを賑わせ、
一部ネットでは、本名や顔写真が流出していた。
その中には、駿の婚約者として自分の写真なども混ざっているようだった。
そんな中、ロンは時々、LINEをくれていた。
新しい店舗のインテリアのこと。
新茶が出始めたこと。
気温が35℃を超えたこと。
美味しい店を見つけたこと。
そんな他愛無いことを書いてきたり、
写メを送ってくれた。
「結婚式は終わりましたか?
お幸せに」と書いてあるのを見ても、
何と言えば良いか判らず、返事も書けなかった。
ロンになら、
話を聞いて貰えそう。
そう思って、夜中に、
「電話しても良いですか?」とLINEした。
すると、直ぐにLINE電話がかかってきた。
「美香さん、お久し振りです」
ロンは穏やかな優しい声でゆっくり話をする。
「お元気ですか?」
「はい。元気です。
ロンは元気だった?」
「…美香さんに会えなくて元気じゃなかった」と、
真面目な声で言うので、笑ってしまった。
「旦那さんは、近くに居るんですか?」と訊かれたので、
「結婚、しなかったの」と答えると、
「えっ?どうして?」と言った。
「あのね、結婚式の日にね、控え室で女の人と…
えっと、浮気してたの。
それまでも、その2人付き合ってたのに気がつかなくて。
他にも浮気してたのが判ってね。
結婚を辞めたの」と話していたら、
情けなくて泣いてしまった。
「美香さん、大丈夫ですか?」
「同じ学校の教師だったのね。
結婚予定だった人も、その浮気相手も。
だから、学校も行きたくなくて、休んでずっと家に篭ってるの」
「可哀想に…」
「でも、ロンに聞いて貰ったら落ち着いた。
聞いてくれてありがと」
「僕、美香さんの力になりたい」
「大丈夫。LINEくれたり、話を聞いてくれるだけで、
たくさん力をくれてるから。
ロン、ありがとう」

