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玉蘭花の香り
第3章 追い掛けて…
この時期に台湾に来るのは初めてだった。

ロンにLINEをして、
「今夜は何をする予定なの?」と訊くと、
「新しい店舗の為に、打ち合わせと会食だよ」と言った。

夜は会えそうにないなと思って、
取り敢えず独りで猫空に行って、
のんびりお茶を飲んで鉄観音を何種類か試飲して購入することにした。
そこの茶園に来るのは数回目だったが、
独りで来るのは初めてだった。


小さい子供たちが珍しそうに話し掛けて来る。
近所に住むその茶園の一族の子供たちだそうで、
兄弟姉妹だったり、従兄弟だったりのようだった。

お茶をのんびり飲んで選びながら、
スケッチブックを出して、
英語と中国語と絵で会話をして過ごした。

帰る時には、一番小さい男の子が美香にしがみついて泣いて、
「帰らないで」と言うので、
困った茶園の主が車を出してくれて、ホテルまで送ってくれることとなった。
男の子はずっと、私の手を握って話さなかった。


私は、持っていた折り紙で鶴を折ってあげると、
納得したのか、満足したのか、
大切そうに持って帰ると言った。


夕食は、ホテルのダイニングで簡単に済ませてしまって、
部屋でのんびりお茶を淹れて飲んだ。


明日は、白磁に美しい手描き模様が特徴の茶器を扱う作家さんに会いに行こうと思って、電話をしてアポを取った。

看板も出さず、ひっそりとやっている作家さんで、
偶然初めて台湾に来た時に知り合った。

英語でコミュニケーションが取れるので、
電話も訪問も問題はない。



夜、遅い時間にロンからLINEが来た。

「電話しても良い?」

いつもロンは礼儀正しい。


私からLINE電話をすると、
すぐに電話に出た。

かなり酔っているようなロンは、

「美香さん、会いたいよ?
会ってハグしたい」と言う。

「今、何処に居るの?」

「家だよ。自分の部屋。
美香さんの声を聴いてるだけで、
なんか、勃ってくる」と、珍しくそんなことを言われて、
恥ずかしくて顔が紅くなる。

「酔ってるんでしょ?」

「美香さんに、酔ってる」

「明日はどんな予定なの?

ロンは細かく明日の予定を教えてくれる。
明日も忙しそうだった。

「会いたいな」と言うと、

「僕も」と言った。


通話を切った後、
ホテルの名前と部屋番号をLINEしてみたけど、
既読にはならなかった。
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