この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
玉蘭花の香り
第6章 認めて欲しい
個室に入ると、高層階ということもあり、見晴らしが良く明るい雰囲気に包まれた。


ひとまず私が中国語と日本語で双方を紹介した。


台湾からわざわざ足を運んでくださったことのお礼から始まり、
ロンとお付き合いさせていただいていることでとても幸せな気持ちを抱いていることを説明してから、
両親と弟に、ロンとその家族を紹介した。

そして、私の両親と弟を紹介した。


男性陣は、仕事のように名刺交換を始めて、
その後は共通言語として主に英語でお互いの仕事のことなどを質問し合っていた。


ロンのお父様がエステやマッサージの店舗や不動産業をしている話は伺っていたが、
病院経営もしていて、
若い頃、日本に留学して医学を学んだ話を聞いたのは始めてだった。

留学先を訊くと、
叔父と同じ大学だったので、
名前を出すと同級生だったことが判った。

また、お祖父様はグループ会社を纏める立場で、
台湾でも指折りの財界人だということだった。

ロンの自宅に伺った時、立派なお宅だとは思ったが、
想像していた以上のお家だということを今更ながら知り、
少し気後れしてしまった。


無口な父は、ひとしきりそんな話を聞いてから口を開いた。

「私は単なる教育者で、誇れるような財産もなく、
娘に対しても、人間としてきちんとした躾をすることと、
本人が望む範囲でなるべく高い教育を受けさせるくらいしかしてきませんでした。
あなたの一族に釣り合うとは思えないのですが?」と言った。


すると、お祖父様がゆっくりとした日本語で言った。


「その人間としてきちんと躾をされてることと、
美香さんがご両親に深く愛されて育てられていることが、
とても素晴らしいと思いました。
何よりも、孫のロンが、美香さんに一目惚れをしました。
ロンは勿論ですが、
私達も本当の家族のように大切にしていきます。
是非、2人の結婚をお考えいただきたい」


「娘の結婚式後の顛末は、訊いていますか?」

「私はロンから聞いたが…」と、ロンのお父様は言った。

「娘は婚約して結婚式を挙げたが、その最中に男が浮気相手と式場の中で、不適切な関係を持った。
しかも娘は、それを見てしまい、結婚を取り止めた。
戸籍上は傷は付かなかったが、
娘の気持ちはとても傷ついた。
そんなことがあった娘でも、花嫁に迎えることが出来るんでしょうか?」






/114ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ