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第11章 芽吹き

運動不足になるのもいけないとお医者様から言われたので、
毎朝、早く起きてロンとお散歩をするようになった。

近くの廟で安産を願ってお祈りをする。
そして、帰りに外にいつも座っている老婆から、
玉蘭花を買って帰り、寝室に置いた。

夜、その香りに包まれながら、
ゆっくり愛し合った。

時にはキスとハグだけ。

時にはお互いを愛おしむように舐め合う。

そして、時々、優しく挿入して、
ロンのカタチが判るまでそのままにして貰ってから、
時間を掛けてのんびり愛し合った。

お腹が大きくなると、
横たわったまま、後ろから挿れて貰ったり、
ソファに座るロンに跨ったりもした。

乳首を吸われると、
子宮が疼くような夜もあった。

そして、胎動が感じられるようになると、
いつまでもロンは私のお腹に耳や頬をつけて過ごした。

ロンの髪を撫でながら、
とても幸せな気持ちで過ごした。

性別については、
産まれるまでの楽しみにしたいからと、
訊かないようにしようと２人、決めていた。


学校も退職すると、
自分達のお店か、ホテルのエステで過ごすことが多かった。

皆んなが居る処の方が安心だからと、
ロンもお父様と言っていたし、
自分でも１人で部屋に居る時に何かあったらと思うと、
確かに誰か居る処で過ごしたかった。

マタニティの方へのリラクゼーションとしてのエステとマッサージのメニューも作ってはどうかしら？と言って、
実際に採用されたりもした。

使ってはいけないアロマオイルや、
してはいけないことなど、
病院のお医者様にも監修して貰い、
ホームページやメニューも中国語の他、英語と日本語でも作ると、
駐在の奥様達に評判になり、
たくさんのお客様がやってくるようになった。

また、お子様連れで来れる設備や、
カップルで楽しめるメニューも作ると、
更に口コミでお客様が増えて行った。

私もマタニティということで、
マタニティでも大丈夫なお茶をお出ししながら、
お客様達とお話しすることも出来て、
自分自身も楽しく過ごせた。

妊娠中の夫婦関係のことなども話題に出たりしたけど、
紅くなりながらも実直に話したりすることで、
また、リピーターになってくださる方や、
お友達をご紹介してくださる方もたくさん居た。

「ほらね。
美香さんは商才があるよ」と、
お父様とお祖父様は笑って言った。