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親友のカレ
第1章 親友のカレ

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「──もしもし、真奈?」
スマホを耳に当てながら、声色ひとつ変えることなく、私の上で腰を振る彼。
それに対して、私は 電話の向こうの真奈に聞こえないよう 両手で口を塞ぎ、必死に声を抑えていた。
「誕生日おめでとう。ごめんね、楽しみにしてたのに会いに行けなくて。来週また、埋め合わせするから」
初めて、彼と身体を重ねた日から半月…
私たちの関係は真奈の知らないところで続いていた。
「今度は真奈の家に行ってもいい?俺の部屋、片付けてる最中で散らかってるから、今はちょっと見せられないんだよね」
今日は 真奈の21歳の誕生日。
本当なら、彼はこの部屋に真奈を呼び、素敵な一夜を過ごしていたに違いない。
だけど、私は……
「わかった。じゃあまた、来週ね。おやすみ」
彼と数えきれないほど身体を重ねたこの部屋に、他の女が来ることが耐えられなかった。
例え、それが…
彼の彼女である、真奈だとしても。
「…電話の最中、ずっとヒクついてたでしょ」
『っ…だっ…て…』
通話を切ったスマホをベッドの下に散らばっている服の上に放り投げ、私の唇を奪う彼。
その背中に腕を回してギュッとしがみつくと、優しい手つきで髪を撫でられる。
「──やっと、手に入れた」
私のものじゃないって、分かっているのに惹かれてしまう。
彼が欲しい…
この欲望はもう、誰にも止められない。

