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私がお父さんを殺すマデ……
第1章 違和感
 固いナニかが、その付近に当たるのがわかった瞬間、私は、身体中に強い強い痛みを感じ、逃げようとしたけど、押さえられた。

「動くなって。おー、締る締る。」

 痛い……。

 早く終わって……。

 お父さんが、動く度に私の口から変な声が小さく出る。

「いいよ、沙織。アァッ……いいっ。」

 時間がとても長く感じた。

 なんで……?

 親子なのに、なんで?

 わからなかった。

 わからない。

 どうして?

 気付いたら、もう新聞配達のバイクの音が耳に届いた。

 隣では、お父さんが寝てて、小さなベッドでは、実愛がお腹を出して寝ていた。

「シャワー……。」

 音をたてないように、下に行き、熱いお湯で全身を何度も何度も洗った。

「わっ、なにコレ……。虫?」

 鏡に映った私の身体。至るどころに赤紫色の虫刺され?みたいなのが、あった。

「……。」

 私、なんで女に産まれたんだろ?着換えもそこそこに、私は部屋で布団を被って泣いた。
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