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絶対的下僕の末路
第3章 【誰が休んでいいと言ったのかしら】







「緒方さん、俺…!やっぱ忘れられなくて…っ」




え、何?
急に手を引かれこんな使われていない実習室に来たは良いけど、いきなり押し倒されてキス…ですか。




彼は確か何度かデートした事あるけどセフレにもならなかった人。
キスも寸前で与えなかった感じかな。
告白も断ったはずなのに。
特に焦らしてもないし、同じ学部だから当たり障りない程度に接していたつもり。




それを優しさと勘違いしたのなら致し方ないのだろうか。
笑顔で挨拶くらいするでしょうよ。
朝から勘弁してよ。
舌噛んでやろうか。




え、終わるまで待てば良い?
抵抗したらもっと長くならない?
歯磨き粉の匂いする。
一生懸命磨いて来たのかなとも思えば可愛いのだろうけど。
あぁ、どこで区切りつけよう。




チラッと目線を変えてみたら、廊下に誰が居るような気がした。
シルエットですぐにわかる私も私だ。
気になって覗こうとしてるの?
連れて来られたの見てたんだろうな。




じゃ、抵抗するフリしておこうか。




「ダメだよ……井口くん」




少しだけ距離を取ったら更に抱き寄せられ煽る形となった。
自分のキスに酔ってる…?
目が真剣なんだけど。




「緒方さんが悪い……これじゃ諦めきれないよ」




再び唇奪われて今度はもっと激しい。
朝から盛り過ぎでしょ。
少しだけ扉が開いた気がした。
何だ、ちゃんと覗くんだね。
なら、一番良いアングルとシチュエーションで。




井口くんの顔を両手で挟み唇を離す。
唾液の糸を引かせながら酔いしれたフリなんていくらでも出来るから。




「そんなにしたかったの?」




「ごめん……我慢出来なかった」




「これじゃ、断った意味ないね?」




「どうしてもダメなの?これ以上気まずくなるのは嫌だけど、今みたいに抑えきれなくなる時がある」




良いね、そのセリフ……グッとくる。
またやって来そうなキスを止めるべく人差し指で唇に触れた。




「いきなりこんな事されるのは正直困るけど……嫌じゃなかったよ?井口くんって凄く大胆なんだね?」




真面目そうな見た目なのに実はレアキャラ?
告白してきた時はストーカーにならないよう断ったつもりだったのに。
意外とタフで粘り強い。











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