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絶対的下僕の末路
第3章 【誰が休んでいいと言ったのかしら】
“抑えきれなかった”って言葉が何より好きなの。
「緒方さんにだけ、だから」
疼くね、その言葉も。
支配欲を駆り立てられる。
「へぇ、意外だね?井口くんがこんな肉食だったなんて」
綺麗な漆黒の瞳に映る自分にスイッチが入った事くらい理解している。
大胆に来るなら少しだけ弄ぶのも悪くない。
見られているなら尚更拍車がかかる。
「緒方さんも……Sっぽくてゾクゾクしてる」
「あぁ、知らなかった?本性見られちゃったな」
「ううん、そっちの方が良い……もっと好きになっちゃった」
「それは困るな……井口くんにはさっきみたいなSで居てもらわないと」
「えっ!?俺も…Sなのかな?自分ではよくわかんないや…」
「え、よくわかんないのに私にキスしたの?」
「それは、抑えきれなくて」
「もっと言って…?」
「え…?」
「抑えきれないって衝動、好きなの」
首の後ろに手を伸ばし踵を上げた。
「S同士って…弾き合うかな?試してみる?」
「え……」
唇に触れるかと思わせて耳元へ。
「私、稀に見る随一のSだから……井口くんの事ドMにしちゃうかも知れないけど」
え…?てな顔で言葉を見失った彼に少しだけ荒々しいキスのお返し。
こういう相手は伊織だけで充分だったのにな。
ごめん、真帆。
大学では作らないつもりだったけど、セフレ一人増えるかも。
噛み付いてくるからいけないんだよ?
中途半端に欲情してSぶるから懲らしめないとね。
腰に手を回してきてギュッとされて、下半身がくっついてきたらやっぱ疼くじゃない?
退屈しない相手なら良いけど。
自分から離して「続きはまた今度」ってオアズケするのもお決まりね。
もう行かなきゃ。
講義始まっちゃう。
遅刻も欠席もするつもりはないから。
拍子抜けしたマヌケ顔は放置プレイといきますか。
引き止められるのも想定内だけど。
「今日終わったら時間取れる?」
「うーん……講義終わったら家庭教師のバイトなんだ、ごめん」
「家庭教師!?え、いくつの子?」
「中学生」
バイトは嘘だけど、中学生みたいな脱童貞くんが相手なのは本当かな。