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不誠実なカラダ
第4章 愛されたい それよりも
「いいわよ。」

会社でするのも、燃え上がるわね。

そんな風に、悪魔が囁いて行った。


「どこでする?」

「おっ、乗ってきたね、お姉さん。」

典浩は舌なめずりしながら、辺りを見回した。

「トイレは?」

「見つかるわよ。」

「じゃあ、非常階段?」

私と典浩は、非常階段の方へ向かうと、誰もいなくなったところで、その扉を開けた。

「1階上がるぞ。」

「ええ?」

「ばあか。入るところを偶然見た奴が扉を開けたら、びっくりしちまうだろ。」

典浩の”ばあか”も、久しぶりに聞いた。

「下に降りるのは、駄目なの?」

「ああ。下は意外と見つかるんだよ。」

そう言って典浩は、私の手を引いて、非常階段を昇り始めた。


意外と見つかるって、前にもしてるんじゃない。

心の中でツッコミながら、手を引いてくれている典浩の優しさも、感じている。

1階上がるのは、意外と早かった。
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