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不誠実なカラダ
第4章 愛されたい それよりも
その思いが、私の胸を逸らせた。


数時間後、仕事が終わった。

「お先に失礼します。お疲れ様でした。」

同僚に挨拶をして、ちらっと部長を見た。

「ああ、お疲れ様。」

「お疲れ様です、部長。」

この後私達は、裸で抱き合うと言うのに、素知らぬ顔をして、挨拶をするのだ。

何て、秘密の香りが漂うシチュエーションなのだろう。

そして、私は会社を出た後、真っすぐにいつものホテルに向かった。

何だか足取りも軽い。

部長と会えると言う事が、こんなにも心躍る事になるなんて。

思いもしなかった。


しばらくしてホテルに着き、その入り口のソファで待っていると、数分遅れて部長がやってきた。

「待たせた。」

「いいえ。」

何気ない会話が、ほんのり嬉しい。

今日は何号室を使うのだろう。

そう思っていると、部長は思わぬ場所を指さした。

「最初、飯にしよう。」

「夕食……ですか?」
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