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フレックスタイム
第9章 天使降臨
土曜日に病院に行った。
最初から帝王切開になることは確定なので、
最初の出産でお世話になった病院に行くことにした。
先生も婦長さんも、
私の顔を見て息を呑んだ後、
「乗り越えることが出来たんですね?
おめでとうございます」と静かに言ってくださった。
翔吾さんは先生に頭を下げて、
「どうぞ宜しくお願いします」と言った。
予定日は9月中旬と言われた。
安定期になるまで、社内の方には発表はしないことにしたが、
普段、あまり話をしない池田さんが、
2人きりで秘書室での仕事をしていた時に私をじっと見つめてボソッと言った。
「赤ちゃん、出来たの?」
「えっ?」
「なんとなくお腹を庇ってらみたいに見えるし、
靴もスニーカーだから…」
「まだ初期なので」
「香水で、気持ち悪くならない?
私、つけないようにするわね」
と、思いがけず優しい言葉を掛けて貰った少し驚いていると、
「伊藤さんのこと、
ありがとう」と、ぶっきらぼうに言ったので、
更に驚いてしまった。
「百合さんからハッパ掛けられたって言ってたわ。
知ってたの?
私の気持ち…」
私は小さく頷いた。
「伊藤さんも…
いつも池田さんのことを見てましたよね?」
池田さんは照れた顔をした。
「まあ、私の方は、流石に妊娠はしない歳だけど…
来月入籍する予定よ」
「おめでとうございます!
お式は?」
「こんな歳だから、恥ずかしいわよ。
あっちだってそうでしょ?
でもね、百合さんのおかげよ。
だから、一番に言っておきたくて。
本当にありがとうね」
「私は何も…。
本当におめでとうございます」
「ま、仕事は続けるわよ。
百合さん、産休育休になっても、
電話番は任せてね?」と笑った。
来月入籍か…。
ちょっと考えなきゃね。
と、密かに思った。
最初から帝王切開になることは確定なので、
最初の出産でお世話になった病院に行くことにした。
先生も婦長さんも、
私の顔を見て息を呑んだ後、
「乗り越えることが出来たんですね?
おめでとうございます」と静かに言ってくださった。
翔吾さんは先生に頭を下げて、
「どうぞ宜しくお願いします」と言った。
予定日は9月中旬と言われた。
安定期になるまで、社内の方には発表はしないことにしたが、
普段、あまり話をしない池田さんが、
2人きりで秘書室での仕事をしていた時に私をじっと見つめてボソッと言った。
「赤ちゃん、出来たの?」
「えっ?」
「なんとなくお腹を庇ってらみたいに見えるし、
靴もスニーカーだから…」
「まだ初期なので」
「香水で、気持ち悪くならない?
私、つけないようにするわね」
と、思いがけず優しい言葉を掛けて貰った少し驚いていると、
「伊藤さんのこと、
ありがとう」と、ぶっきらぼうに言ったので、
更に驚いてしまった。
「百合さんからハッパ掛けられたって言ってたわ。
知ってたの?
私の気持ち…」
私は小さく頷いた。
「伊藤さんも…
いつも池田さんのことを見てましたよね?」
池田さんは照れた顔をした。
「まあ、私の方は、流石に妊娠はしない歳だけど…
来月入籍する予定よ」
「おめでとうございます!
お式は?」
「こんな歳だから、恥ずかしいわよ。
あっちだってそうでしょ?
でもね、百合さんのおかげよ。
だから、一番に言っておきたくて。
本当にありがとうね」
「私は何も…。
本当におめでとうございます」
「ま、仕事は続けるわよ。
百合さん、産休育休になっても、
電話番は任せてね?」と笑った。
来月入籍か…。
ちょっと考えなきゃね。
と、密かに思った。