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フレックスタイム
第9章 天使降臨
実家の母も来てくれて、
手術室に入った。
好きな音楽を掛けて貰って、
部分麻酔で手術が始まった。
天井のライトに映る手術の様子がぼやけているので、
「眼鏡、掛けても良いですか?」と言うと、
「まあ!
そんなことを言う妊婦さんなんて、
聞いたことがないですよ」と看護婦さんに笑われた。
赤ちゃんの為にギリギリまで全身麻酔は使わないと言われていたので、
ずっと痛みはない中、
天井のライトに映るぼんやりとした様子や、
自分の帝王切開の為に動いている先生や看護婦さんを見ていた。
程なく、
「11時32分。
…の子です」と言う声が聴こえたような気がしたところで、
一気に意識がなくなってしまった。
次に目が覚めたのは、
病室の中で、
翔吾さんと母が私のことを覗き込んでいた。
「目が覚めたのね?
良かったわ。
翔吾さんたら、心配して心配して…」と母は笑うと、
「ナースステーションに声を掛けてくるわね?」と言ってドアから出て行った。
多分、翔吾さんに気を遣ってくれたのだろう。
「ああ。
百合、良かった!
目を覚まさなかったらどうしようと…」
「大丈夫って言ったでしょう?」と言ったけど、
小さい声しか出なかった。
「赤ちゃん、どっちだったのかしら?
ちょうど取り上げられた時、
一気に全身麻酔が掛かって、聴こえなかったの」
「男の子だったよ?」
「そう!
じゃあ、ケンが一緒に遊べるって喜ぶわね?」
母と一緒に看護婦さんが来てくれた。
点滴をチェックして、
念の為、脈や熱も確認してから、
「何かあったらナースコールしてくださいね?」と言って出て行った。
赤ちゃんは新生児室にいて、
今日は私もとても動けないので、
明日、赤ちゃんの状態が良ければ、
病室まで連れて来てくれるということだった。
一度、翔吾さんは家に帰ってお母様に報告してから、
また戻ってくると言って、
母に自分が戻るまでくれぐれもお願いしますと深く頭を下げて病室を出た。
「本当に翔吾さん、
優しい方なのね?
そして、百合ちゃんのこと、大好きなのね?」と母が微笑んだ。
「ママ…
私、ちゃんとケンと赤ちゃんのこと、
平等に愛せるかしら?」
「大丈夫よ。
だって、ケンちゃん、優しくて可愛らしいもの。
百合ちゃん、幸せね?
3人の王子様に囲まれるんですもの」
手術室に入った。
好きな音楽を掛けて貰って、
部分麻酔で手術が始まった。
天井のライトに映る手術の様子がぼやけているので、
「眼鏡、掛けても良いですか?」と言うと、
「まあ!
そんなことを言う妊婦さんなんて、
聞いたことがないですよ」と看護婦さんに笑われた。
赤ちゃんの為にギリギリまで全身麻酔は使わないと言われていたので、
ずっと痛みはない中、
天井のライトに映るぼんやりとした様子や、
自分の帝王切開の為に動いている先生や看護婦さんを見ていた。
程なく、
「11時32分。
…の子です」と言う声が聴こえたような気がしたところで、
一気に意識がなくなってしまった。
次に目が覚めたのは、
病室の中で、
翔吾さんと母が私のことを覗き込んでいた。
「目が覚めたのね?
良かったわ。
翔吾さんたら、心配して心配して…」と母は笑うと、
「ナースステーションに声を掛けてくるわね?」と言ってドアから出て行った。
多分、翔吾さんに気を遣ってくれたのだろう。
「ああ。
百合、良かった!
目を覚まさなかったらどうしようと…」
「大丈夫って言ったでしょう?」と言ったけど、
小さい声しか出なかった。
「赤ちゃん、どっちだったのかしら?
ちょうど取り上げられた時、
一気に全身麻酔が掛かって、聴こえなかったの」
「男の子だったよ?」
「そう!
じゃあ、ケンが一緒に遊べるって喜ぶわね?」
母と一緒に看護婦さんが来てくれた。
点滴をチェックして、
念の為、脈や熱も確認してから、
「何かあったらナースコールしてくださいね?」と言って出て行った。
赤ちゃんは新生児室にいて、
今日は私もとても動けないので、
明日、赤ちゃんの状態が良ければ、
病室まで連れて来てくれるということだった。
一度、翔吾さんは家に帰ってお母様に報告してから、
また戻ってくると言って、
母に自分が戻るまでくれぐれもお願いしますと深く頭を下げて病室を出た。
「本当に翔吾さん、
優しい方なのね?
そして、百合ちゃんのこと、大好きなのね?」と母が微笑んだ。
「ママ…
私、ちゃんとケンと赤ちゃんのこと、
平等に愛せるかしら?」
「大丈夫よ。
だって、ケンちゃん、優しくて可愛らしいもの。
百合ちゃん、幸せね?
3人の王子様に囲まれるんですもの」