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フレックスタイム
第11章 フレックスタイム
うとうとしていると、隣の小さなベッドで眠っていたレンが、
「マミー?」と私を呼ぶ。

私はベッドサイドに置いた部屋着のワンピースを着て、
ベッドを覗き込むと、
私に向かって手を伸ばして、

「マミー、キスして?」と言う。


私は抱き上げてキスをしながら、
「まあ、レンたら、
赤ちゃんみたいね」と笑うと、
恥ずかしそうな顔を私のおっぱいに埋める。


「レン、それ、ダディのなんだけどな?」と翔吾さんが言いながら、
Tシャツとトランクスを履いて私達の処に来ると、
レンと私の額にキスをする。


ケンも部屋に来て、
「ねえ?
僕にもキスしてよ」と言うので、
4人で大きなベッドに寝転んで、
キスをする。



「なんて幸せな朝なのかしら?
私、世界中で一番幸せ…。
やっぱり、仕事、辞めようかしら?」と呟いた。


「えっ?
マミー、お仕事辞めるの?
カッコ良いのに?」と、
思いがけずケンが言う。


「お家に居なくて、
寂しくないの?」


「大丈夫だよ。
マミーがお仕事の時は、
僕も学校だもん。
ドリームルームにも行けるし、
お家でレンと遊んであげることも出来るよ?
レンも、ドリームルームに連れて行ってあげたいな?
幼稚園に行ったら、連れて行けるの?」


翔吾さんと目が合ってしまってから、
2人で笑い出してしまった。


「マミー、カッコ良いんだ?
ダディもカッコ良いだろ?」


「ダディはね、カッコ良くて当たり前だよ?
男の子だもん。
でもね、
マミーは女の子なのにカッコ良いんだよ?
だからね、マミーを守るの、凄く大変なんだよ。
もっと強くて良い子にならなくちゃいけないから、
レンと頑張るんだ」


なんて良い子なの?
そう思ったら、涙が溢れてしまう。


「マミー、どうしたの?
お腹、痛いの?
撫でてあげようか?」と、
ケンが私の顔を覗き込む。


「大丈夫よ?
嬉しい時にも涙、出ちゃうのよね。
さて、朝ご飯、何にするか、
考えてね?」


「んー。
サンドイッチかお握りにして、
お庭で食べるのが良いな?
ピクニックみたいに」


「じゃあ、キッチンで作ってくるわね。
ケンはレンのお着替え、手伝ってくれる?
翔吾さんは…
トレーニングかな?」


そう言いながら、立ち上がった。
やっぱり、フレックスタイムでの勤務、
続けようかしら?と思った。



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