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フレックスタイム
第5章 辛い過去
「夫とは家も近くて、
親同士が知り合いで、家のホームドクターだった。
大学生になってから、時々アルバイトに行ってたの。
お母様が身体弱かったから、
お家のことを少しお手伝いしたり、
カルテを整理したり、
論文の翻訳したり…。
学年は離れていたから、
夫のことは殆ど知らなくて。
お父様には赤ちゃんの頃から診察していただいてたけど、
夫とは多分会ったことはなかったと思う。
当時、夫は、医学部出て研修医も終えて、
家に戻ってきたところだった。
私としてはほぼ、初対面な感じだったけど、
後から、夫の方は私のこと、小さい頃から知ってたって言われた。
とても無口な人で、
感情も外には出さないような感じで、
何を考えてるのか判らないから、
近くに居るだけでも緊張してた。
私、高校まで女子校だったから、
先生や家族以外の男性と話をすること、
殆どなかったし」
「でも、大学ではモテたんじゃない?
百合、可愛いもん」
「んー。
大学は、学部の関係で殆ど男子ばかりだったから、
確かにいつも1ダースくらいの男子が周りを囲んでいたけど、
特定の男子と付き合うことはなくて。
周りの男子はなんていうか…
舎弟みたいなもので」と自分で言って笑ってしまった。
「舎弟?」
「違う学部とかの男子がズカズカ来ると、
追い払ってくれるの。
別に私に何か言ってくる人も居なくて。
スクラム組んでみんなでボールを守ってくれてる感じで。
電車で痴漢に遭って怖かったって他の女子に相談したのを聞いて、
通学の時に複数で送り迎えしてくれたり、
送り迎えの為にと車の免許取ってくれるコも居たの」
「姫さまだったんだな。
なんか、判る。
守りたくなるからな」
「夫とは言葉を交わすことも殆どないまま、
試験の時期以外は、アルバイトでお家と病院に伺ってた。
それで…」
親同士が知り合いで、家のホームドクターだった。
大学生になってから、時々アルバイトに行ってたの。
お母様が身体弱かったから、
お家のことを少しお手伝いしたり、
カルテを整理したり、
論文の翻訳したり…。
学年は離れていたから、
夫のことは殆ど知らなくて。
お父様には赤ちゃんの頃から診察していただいてたけど、
夫とは多分会ったことはなかったと思う。
当時、夫は、医学部出て研修医も終えて、
家に戻ってきたところだった。
私としてはほぼ、初対面な感じだったけど、
後から、夫の方は私のこと、小さい頃から知ってたって言われた。
とても無口な人で、
感情も外には出さないような感じで、
何を考えてるのか判らないから、
近くに居るだけでも緊張してた。
私、高校まで女子校だったから、
先生や家族以外の男性と話をすること、
殆どなかったし」
「でも、大学ではモテたんじゃない?
百合、可愛いもん」
「んー。
大学は、学部の関係で殆ど男子ばかりだったから、
確かにいつも1ダースくらいの男子が周りを囲んでいたけど、
特定の男子と付き合うことはなくて。
周りの男子はなんていうか…
舎弟みたいなもので」と自分で言って笑ってしまった。
「舎弟?」
「違う学部とかの男子がズカズカ来ると、
追い払ってくれるの。
別に私に何か言ってくる人も居なくて。
スクラム組んでみんなでボールを守ってくれてる感じで。
電車で痴漢に遭って怖かったって他の女子に相談したのを聞いて、
通学の時に複数で送り迎えしてくれたり、
送り迎えの為にと車の免許取ってくれるコも居たの」
「姫さまだったんだな。
なんか、判る。
守りたくなるからな」
「夫とは言葉を交わすことも殆どないまま、
試験の時期以外は、アルバイトでお家と病院に伺ってた。
それで…」