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トパーズ
第2章 新たな恋
それっきり、山本先生とは会えなくなってしまった。

プロポーズみたいなことを言ったまま、
電話もしてこないとか、
あり得ないと思った。


先生の代わりに来た家庭教師の中島先生は、
とても洗練された雰囲気のいかにもな大学生だった。

学年末の試験も終わって、
少しホッとしながら試験の結果を一緒に見ていた時だった。


「麻衣子ちゃん、ホント、可愛いよね?
あいつがベタ惚れな訳だ」と言う。


「えっ?」


「適当に遊んで、普通に俺みたいに就職すれば良いのに、
再受験して医者になるとか言ってるもんな」


どこまで私のことを言ってるのかも、
先生がなんて言ってるのかも判らなくて、
返事はしなかった。


「キスはしたんだっけ?」


「えっ?えええ?」


「あいつ、童貞だし、
チキンだからな。
麻衣子ちゃん、頼んだよ?」と笑う。


「あの…私もそういうことは…」


「良いね。
清純派の可愛い高校生か。
俺なら、速攻、押し倒すけどな?」


思わず、ビクンとして固まってしまうと、

「友情、壊したくないから、
何もしないよ。
揶揄い甲斐があるな」とクスクスと笑われてしまう。


「痛いんですよね?」


「まあ、最初は痛いらしいよ?
そのうち、気持ち良くなる」


「キスも噛み付くみたいにするし、
腫れちゃうから苦手だし…」


「山本に優しくしろって、
言っておいてやるよ?」


「良いです!!
もう会わないままかもしれないし。
全然、電話もないんですよ?
クリスマスだって独りで過ごしたし、
もう2月ですよ?」

そう口にしたら、ポロポロと涙が溢れてしまった。


中島先生は、指先で涙を拭うと、
そっとまつ毛にキスをした。

「俺なら泣かせないのにな」

そう言って、優しくキスをする。
啄むように優しい触れて、
髪や背中をゆっくり撫でる。

息が出来なくなってきて、
少し唇が開いてしまうと、
そっと舌を入れて、
私の舌をゆるゆると舐めながら、そっと吸う。


中島先生から逃れようと少しもがくと、
強く抱き締めて舌を絡めてくる。


「ダメです。
友情、壊れちゃいますよ?
それに…婚約してるって…」


「そうだよね?
でも、麻衣子ちゃんのこと見てたら、
我を忘れてしまったよ。
ごめん」と言って、
優しく抱き締めて、背中を撫でた。



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