この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
トパーズ
第12章 長いお別れ
3月末に判明した黒田先生の赴任先は、
まさかの島嶼部の高校だった。

都立高校には違いないけど、
飛行機やフェリーで行かなければいけない処。

私は呆然とした後、
泣いてしまった。


「これって、左遷?
嫌がらせなの?」


「うーん。
確かに遠くなっちゃうな。
でも…2、3年で戻れるし、
飛行機使えばすぐに会えるよ」


「純一さんは…
耐えられるの?
私…」


「麻衣子、会えない分だけ、
次に会えたら凄く幸せに思えるよ?
それとさ、今後のことと自分の気持ちを、
きちんと考える良い機会にしようよ」


「自分の気持ち?」


「俺はさ、一目惚れして以来、
本当に麻衣子のことが好きでさ。
知れば知るほど、好きになってる。
でも、麻衣子はどう?
俺がガンガン、好きだって言うから、
情にほだされたりしてるのかもよ?」


「そんなこと、ないもん!」


「それにさ、年齢差も、
今は気にならなくても、
これからはどうかな?
麻衣子が40の時、
俺は53。
60の時、73。
下手すりゃ、介護とかするんだよ?
寿命の関係でさ、俺の方が早く死ぬし…」


「…考えたこと、なかった。
でもっ…」


「医者になる。
子育てする。
俺が教員で、
こうやって遠くに赴任することになったら?
麻衣子が遠くに仕事に行くことになったら?」


「…」


「まだまだ先のことだし、
そもそも合格しないといけないから、
まずは受験のことだな。
俺がベタベタして、
勉強の邪魔をしなくて済むから、
頑張って合格しな?」


「…」
私はただ、泣きながら頷くことしか出来ない。


引越しもそんなに手伝えなかった。
たいした荷物もないし、
向こうには家具も家電もついてる住まいがあるとのことだった。

宅急便でいくつかの荷物を送っただけで、
スーツケース一つで、
黒田先生は旅立ってしまった。


ミラノや山田くんと羽田まで見送って、
そのまま、私の家に帰宅した。



「あのさ。
黒田先生に麻衣子のことを頼むって言われたから、
俺達、ここに一緒に住むから」

「えっ?」

「大丈夫だとは思うけど、
ほら、あいつ、まだ、麻衣子に未練タラタラだよ。
由貴だって、
どんな動きするか判らないじゃん。
良いよな?」
/250ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ