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トパーズ
第13章 生まれ変わる
「お母様はきっと、愛情が深過ぎて、
迷路に堕ちてしまったのね。
別れた方への愛情。
岳人さんへの愛情。
それに、お父様への愛情もあると思う。
そして、岳人さんにはそんな歪んでしまうほどの要素、ないわ?
あったら、とっくに私のこと、
私の気持ちに関係なく、犯してるんじゃない?」

「そんな…」

「岳人さんがされたことは、
全て過去のことで、
自分の意思ではない。
私のケースと同じ。
それで良いじゃない?
だから、これからのこと、
考えましょう?
私のこと、好き?」

「好きだよ。
ずっと好きだった。
黒田先生のこと、好きだって判ってても、
その気持ちは変わらなかった。
近くに居れるだけで良いって思ってた」

「ずっと、私を守ってくれて、
ありがとう。
私、甘えてばかりいるだけで、
何も出来なかった…」

「言ったでしょ?
近くに居るだけで、幸せだった。
ここのところ、久し振りに笑顔を見れて、
死んでも良いってくらい嬉しかったんだ」

「私…
まだ、黒田先生に想いを残してると思うよ?
ずっと夢の中に居るみたいに、
時間を止めてた。
亡くなってしまったことをはっきり自覚したけど、
夢を見てうなされたり、泣いたりすると思う」

「そしたら、ギュッと抱き締めて、
背中を撫でてあげるから。
泣いても良いじゃん。
僕だって哀しいし、寂しいもん。
黒田先生は、ホスピスに移る時、
僕に何度も麻衣子さんを頼むって言ってたんだ。
僕はその時、
自信を持って判りましたとは言えなかった。
何、言ってるんですか?
早く治してくださいよって言ったんだ。
先生、自分でも亡くなること、
判ってたのに、
何で任せてくださいって言えなかったんだろうって思ってる。
もうダメかもっていうこと、
何度もあったけど、
麻衣子さんが大学に合格するまでって、
なんとか持ち堪えてくれてた。
本当に、精神力だけで生命をもたせていたんだと…。
だから、ちゃんと最期の時に、
言葉を交わせて良かったと思った。
麻衣子さんにとっては、
本当に突然のことだったわけだし、
その衝撃で、時計が止まっちゃったのも理解出来たから、
僕、なんとか支えていきたいって思ったんだ」

「岳人さん、ギュッとして?
抱き締めて一緒に寝て?
抜け殻じゃなくて、
ちゃんと私に戻れてる私を抱いて?」

そう言って私は山田くんを寝室に引っ張って行った。
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