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トパーズ
第13章 生まれ変わる
山田くんは、
本当に辛そうに話し始めた。


「母が浮気をして自分が生まれた。
本当の父親のことは何も知らない。
ミケーレって名前らしいのは、
母が僕のことをそう呼ぶことがあるから知ってるだけ。
父は無口だけどとても自分を愛して育ててくれた。
でも、母は…
別れたオトコと僕のことを重ね合わせて見るようになって、
僕が大きくなるにつれて、
性的なことをするようになった。
最初は意味が判らなかったけど、
段々それが意味することが判って、
嫌悪感と罪悪感を覚えたよ。
キスされるとかハグされるとかじゃなくて…。
本当に色々なことを…」

山田くんはそこまで話をしたけど、
顔色が真っ青で、震えていた。


「辛かったら、何も言わなくて良いよ。
私…
どんなことがあったとしても、
全て受け入れられるから。
私を全力で守ってくれた岳人さんのこと、
私も丸ごと、抱き締めて守るからね?」

私は山田くんをギュッと抱き締めながら、
涙を流していた。


「それで、自分の部屋に鍵を掛けるようになったけど、
とにかく家を出たくて。
黒田先生はそのことを知って、
うちに下宿においでって言って、
父に話をつけてくれたんだ」

話をしながら、山田くんも静かに泣いている。
私はそっと山田くんの背中を撫でた。


「そしたらね、
母はすっかり僕のことを忘れてしまったんだよ。
知らない人だって言われた。
僕はまだ、幼稚園に行ってるんだって…。
多分、一番悪い記憶を封じ込める為に…
時間を引き戻したんだね?
それで母は少し楽になったと思うよ」
そう言って、少しだけ山田くんは笑った。


「でもね、僕が怖いのは、
そういう狂った遺伝子が自分にも混ざっているってこと。
愛してる麻衣子さんに酷いことするかもしれない。
いつか結婚して子供が産まれた後に…
自分の子供に何かするかもしれない。
そう思うととても結婚して子供を作るだなんて…。
だから…付き合う資格がないって言ったし、
結婚したとして…
ずっと麻衣子さんを守って愛し続けることが出来るのか不安で…。
だから、黒田先生にも、
麻衣子さんを頼むって言われたけど、
即答出来なかったんだ」
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