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トパーズ
第18章 オータム・イン・ニューヨーク
急に手配したチケットは勿論、エコノミーだったけど、
何故かアップグレードして貰ってのフライトになった。

岳人さんのお祖母様にいただいた大きいバーキンのおかげかもしれないなと思った。

2人とも足りない物があったら現地調達すれば良いという感じで、
スーツケースも待たずに手荷物だけで搭乗した。

カシミアのツインニットにジーンズとダウンコート。
それにエルメスのストールという、
ほぼ同じこと格好だけど、
身長差があるから雰囲気が違って見えて、
おかしくなって2人で笑ってしまった。

飛行機の中でも、ゆっくり手を繋いで過ごした。

パリに行ったのが、
随分前に感じてしまった。


ニューヨークは2人とも初めてで、
ワクワクしながらひとまずタクシーに乗ってホテルに向かった。

お父様から貰った画廊にも程近いはずの五つ星ホテルは、
もうクリスマスシーズンの飾り付けになっていた。


チェックインして、
部屋に向かう時に、
ボーイさんに荷物の少なさを驚かれたので、

「たくさん買い物して帰るのよ?」と言うと、
「新婚旅行ですか?」と言われる。

「そういえば、そうかもね?」と言って、
岳人さんがチップを渡していた。


「ねえ?
画廊にも行くけど、
ジャズバーとかも行きたいな?
こんな格好でも大丈夫かな?
私達、学生丸出しね?」と言って、
2人でまた、大笑いしてしまった。


「でも、外は結構寒いよね。
麻衣子さん、風邪ひくといけないから。
帽子と手袋は先に買った方が良いかも」と言う。


「着替えも持って来てないしね?
下着の洗い替え2組と部屋着しか持って来なかったもんね。
後で買い物に行ってみましょうか?」


「そうだね。
新婚旅行だしね?」と、
岳人さんが真面目な顔で冗談を言うので、
吹き出してしまう。


「取り敢えず、画廊の場所だけ、
チェックしてみましょうか?」と、
最小限のものだけをポケットに入れて、
2人で外に出ることにした。
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