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トパーズ
第18章 オータム・イン・ニューヨーク
「はぁ。
素敵だった!
ニューヨークシティバレエ団のは初めてだったけど、
違う演目もまた観たいな」

タクシーの中で、何度目かの溜息をついた。

「また、観に行こうね?」と岳人さんが手を握ってキスをする。


ホテルに戻って、
その日の夜は遅くまでのんびり話をした。

特に若い頃のお母様の話を聞いた。


あれこれ伺いながら、
確かにお母様とミケーレは愛し合っていたことを感じた。

そして、多分、
お母様は口下手で物静かなお父様の愛情を実感出来なくて、
愛されていないと思い詰めていた頃に、
ミケーレと出会ったんだと思った。

ミケーレ自身も、
寂しそうな様子が気になって、
その寂しさを埋めたかったし、
心から愛していたと言っていた。


ミケーレは、
確かにお母様がお父様に愛されていて、
今は仲良く暮らしていることを聞いて、
本当に良かったとも話をしていた。


「私と岳人さん、12月に結婚披露宴を東京でするので、
もしも良かったら、ご出席していただけませんか?」

「えっ?
それは…難しいだろう?
タケヒトのお父様にも顔向け出来ないよ」

「ミラノ達の席に座って貰えば?
あ!グランパ達と一緒が良いかな?
親戚みたいに座ってたら目立たないよ?」と言うと、
岳人さんが笑い出す。


「ミケーレ、困ってるよ?
でも、僕は…
僕達の結婚式、観て欲しいな?」

「良いのか?
本当に?」と言いながら、
ミケーレは泣いている。


「じゃあ、決まりね?
ふぁ…。
私、眠たくなってきちゃった。
まだ、2人共、起きてるなら
お先に寝ても良い?」と言って、
2人の頬にキスをして、
3つ並んだ一番端のベッドに潜り込んだ。


2人は暫く、静かな声で話をしていたようだった。


翌日、荷物を詰め直していると、
ミケーレは「これを…」とラッピングしたものを岳人さんに渡していた。

「日本に戻ったら、
開けてくれるかな?」と言っていた。


空港まで送ると言ってくれたので、
一緒にタクシーで移動して、
保安検査に入るまでずっと私が話をし続けてミケーレが相槌を打って、
岳人さんは静かに聞くといういつもの感じになる。


「ダディ、ありがとう」って声が聴こえて、
3人で肩を抱き合って泣いた、
何度もハグとキスをして別れた。

「また、すぐに会えるよ」と最後に言って別れた。
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