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そぶりをやめて
第11章 半年と3日
「っ汐里...、はぁっ...」

苦しそうに息を吐きながら、気遣ってだろうゆっくり動いている。

下腹部が熱くてたまらない。
それでももっと、奥に欲しい。

汐里が踏ん張る足を震わせながらも自ら腰を突き出し、奥を誘う。

「っ、もっと、...シて?」

少し振り返った時、一瞬止まったように佳佑が見えたような。
次の瞬間から、体が前後に大きく突き動かされる。
肌がぶつかる音と、2人の荒い吐息と、ナカを擦りあげる水音が狭い洗面室にこだまする。

「あっ、いっ、...すご、いいっ!」

衝撃が来るたびに、上半身が大きく反り返る。
洗面台についた手が、しがみつくように掴んで堪える。

足がつま先立ちになり、掴まって立ってるのがやっとだ。

「ごめん。...優しく、出来そにない」

そう言いながら、腰を掴んでいた手がける素早く動いて、汐里の体がきつく抱きしめられる。

「はぁんっ、...やめない、で。もっと...」
「っやめないよ。やめてあげられそうにない...」

体をひねって今にも触れそうな距離で会話をして、そのまま舌を絡める。
その間、汐里の肌の上を動き回った佳佑の指が、しっかりと固定される場所を探し当てると、また腰の動きが激しくなる。

「っあ、ああっ、ほんと、...すごぃ」

まとわりついている佳佑の腕を掴み直して、また大きく突き動かされる。
洗面台という固定した支えではないので、余計に体が飛び跳ねて頭が揺れ動いてしまう。

全身にビリビリと今まで以上の快感が駆け巡って、目の前が霞んできた。

「っは、汐里っ」
「.......っあああっ!!」

大袈裟なぐらい痙攣して果てると、足の力がもう入らない。
抱きしめられながらも前のめりで倒れそうになるのを、涙目でよく見えなくて、なんとか目の前のものを掴んでみる。

洗面所に置いているワゴンだったらしい。
キャスターつきのそれは、あまり重いものを入れてないから、動きやすくて。
慌てて佳佑が支えてくれている。

「っ、ぶな」

「...だから、ベッドに、...いこっ、て」

引っ張られた腕を、そのまま佳佑にしなだれかける。
さっき勢いよく飛び出した佳佑のソレが、汐里のもう片方の手の近くにあって。

「...悪かったよ、今から行...っ」

ソレに指を這わして撫で回し、ゆっくりと舌を近づけた。
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