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そぶりをやめて
第2章 7日目
無事辿り着いた北欧家具店は、コロナ禍だというのに結構な賑わいだ。

みんな、行くとこないんだろうな。

広い店内をぐるぐる迷路のように進んで、人ごみを縫うようにして、ベッド売り場に辿り着く。
沢山のベッドが並んでいて、一通りウロウロ吟味するが、ひとつひとつ佳佑のチェックがハンパない。
ついには店員さんを捕まえて、あーでもないこーでもないと質問しまくっている。

汐里も最初は一緒に説明などを聞いていたのだが、さすがに飽きてきた。
ベッド売り場にほど近い、ソファにしれっと座って、周りを見渡す。

行き交う人々は、当然ながらファミリーだったり。カップルだったり。
凄く楽しそうだし、仲良さそうだし。


ちびっこが走り回っていて、それをたしなめるお母さん。抱き上げるお父さん。
こっちのカップルは、ラブラブ同棲中かな〜。声が甘い甘い。
向こうのベテランご夫婦はキッチンのリフォームかぁ。何やら軽くモメてるけど、それすらも微笑ましい。
お腹が大きな奥さんと、ご両親かな~。まさか義両親~?
あの人たち、新婚ぽい。絡めるように繋いだ指に指輪が光ってる〜。

と人物観察がやめられない。
何度も来たことがあるのだが、なんだか今までとは違って思えた。

「何してんの。ちょっと、こっち」

「はいはーい」

私たちも、ちゃんと家族とかカップルに見えているのだろうか。
手も繋がないし、微妙な距離感だけれども。

「これ、どう思う」食い気味に「お、いいねぇ」
「ちゃんと見て」「見てる見てる」
「...ここの収納が」「いいねいいね」

適当に相槌を打っていたら、ふと視線が合った佳佑が真顔だ。
とっさにヤバいと思い、何か言わなくてはと思う。

「ダーリンを信頼してるから!」

さっき見かけた同棲カップルのように、語尾にハートマークを付ける勢いで甘えた声を出してみる。

「おまかせ(ハート)」

すぐ近くにいた店員さんが苦い笑いをこらえ
「じゃ、こちらで手配しますね~」とそそくさと消えて行った。

やりすぎたかもしれない。

いつの間にか、あらぬ方向を見ていた佳佑の顔を少しのぞき込む。

お? なんか...、まんざらでもナイかんじ?
照れてる?照れてるの??

意外...。

っていうか、ちょっと楽しい。
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