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そぶりをやめて
第12章 200日
優しく舌が踊って、初めは驚いていた汐里も次第に舌を絡めてゆく。

「っん...」
「すげー気持ち良かった」

それは、否定しないけど。

「好きだよ、汐里」

唇が短く、チュッと重なる。

汐里も、何か言いかけて。

言っていいか、分からなくなる。

佳佑を好きだけど、それはセックス相手としての好きなのかもしれないし。

同じ“好き”では、ない気がする。

そもそも、佳佑が言ってる“好き”の意味も分かりかねる。

セックスのための“ふり”なのかもしれないし。


短時間で、色々思いめぐらしてしまう。

その間に佳佑は、スタスタと歩いて部屋に戻っている。

汐里が何か言うとは思ってもないようだ。


思い出したように、化粧水をつけて。

汐里も洗面所を後にした。





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