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そぶりをやめて
第14章 入籍13日前
「え!どれもめっちゃ美味しそうなんだけど!」

たなっちは、その辺の開いてるお店に入ればいい。ぐらいに思っていたらしい。
なので、思わぬ好みのお店だったのか、かなり喜んでいる。
メニューを何度もめくっては、どれにしようか真剣な顔で吟味している。

「全部食べたらいいじゃん。オゴるし」
「マジで!?そんな事言ったら、本気にするよ~?」

マスクでよく見えないが、にしし、というカンジの笑い。
懐かしい。中学の頃よく見た気がする。
高校も同じ高校なのだが、履修コースの関係でクラスが離れていてあまり接点がなかった。

その後は年に1回ほどは、なんだかんだと集まりがあって会っていたけど。
佳佑の転勤やらなんやらで、ここ3年は会ってなかった。
どのみち、ガッツリ2人きりで会うのは初めてだ。

かなり悩みまくっていたが、とりあえず食事メニューを注文して、デザートは様子見するらしい。

「それにしても。帰ってきてまで相談する程、何に困ってるの?」

出されたおしぼりを袋から出しながら、たなっちが切り出してきた。
弁護士関係の相談事だから、困ってる、と思ったのだろう。

確かに、困ってるんだけども。

「いやぁ、まぁ。うん」

初っ端から切り出す勇気がない。
テーブルの上のお冷を口にしようとして、かなり口の近くに持ってきてから、マスクに気づく。
やはり、緊張してるらしい。
内心焦りながらも、しれっとマスクを取って水を飲む。

話しづらそうにしているのを察して、たなっちが他の会話に切り替えてくれた。

卒業した小学校に、たなっちの甥が通ってるらしい。
教室にエアコンが入ったとか。
体操服がオシャレになって、ブルマじゃなくなってるとか。
たわいも無い話から。

中学の頃の、昔ばなし。
皆と集まったら必ず話す、中2の時の文化祭の準備で学校に皆で泊まり込んだこととか。
中3の修学旅行で、数名迷子になったとか。

懐かしい話をしながらも、落ち着かなくて。

気がついたら、いつの間にか、デザートを食べはじめてた。

「ね、ちょっと、そっちのチョコケーキ貰っていい?」

テーブルの中間に置かれた透明のパネルの横から、たなっちのフォークが伸びてくる。

「お。いいよ。俺もこれ食べていい?」

テーブルの上には、デザートの皿がパネルを挟んで、2枚づつ。
計4枚も並んでいる。
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