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そぶりをやめて
第22章 3815日
途中、台所に立ち寄って奪い合うように水を飲んで、風呂場へ向かった。

いや、戻った。というのが正解かもしれない。
なにせ、数時間前にも、2人で入浴したばかりだからだ。

シャワーもそこそこに、汐里がいち早く湯船に浸かる。
ヒノキ作りの純和風な浴槽には、若干ぬるくはなったが、お湯がたっぷり入ったままだ。

「はーーーぁ。きもちいいーー」

シャワーだけのつもりだった佳佑が少し迷って。
気がついたら入ってこようとしている。
仕方なく、少し湯船の中を移動する。

一般のお風呂サイズより少し広いぐらいで、2人入るとそんなに余裕はない。

風呂場の奥には、横いっぱいに大きな羽目殺しのガラスがあって。
その向こうには、小さめの箱庭が見える。

そこには、小さめの石の灯篭と、色鮮やかな和傘が広げてあって。
和傘の裏に照明が仕込んでいるらしく、妖しげな光を弱々しく放っている。

この建物のコンセプトが、『外国の方にウケる日本』みたいなカンジなのだろう。
さっきの和室の蚊帳や、枯山水風の庭、竹垣などなど。

汐里の実家もそこそこ古い日本家屋だけど。
あの落ち着く古いカンジとは、明らかに違う。

どこかツクリモノっぽい。

だからだろうか、すごくラブホテルっぽく感じるのは。


特に何がって、あの赤い敷布団。

時代劇で遊郭とかのシーンにでも出てくるかのような、鮮やかな赤だった。

「あの布団に寝るのは嫌だなぁ...」

そうでなくても、ぐちゃぐちゃになってしまってる気が。


「え。あの部屋で寝てもいいけど、一応寝室は2階だったけど?」
「へっ?2階??」

到着した時、ぐるぐる建物の中を見て回って。
そのまま流れるように風呂に入ったので、2階にはまだ辿り着けてない。

2階が寝室って?
あの蚊帳とか布団は何だった?

「しかもベッド」
「ベッド!!」

一瞬意外に思えたが、外国の方目当ての宿ならベッドがいいに決まっている。

「めちゃデカいベッドがでーんと」
「マジで」

背の高い人も多いだろうし。
大きなベッドが必要と思われる。

「んでもって、2階はエアコンあり」

蚊帳の吊ってあった部屋は、エアコンがなくて。
それで窓や障子を開け放してた。

「じゃ、初めから2階でよかったじゃん!」
「えー。蚊帳の中でヤってみたんだもん」

さらりとそう主張され、言葉につまる。
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