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そぶりをやめて
第8章 140日
「いらっしゃーい!待ってたわよ〜」
「よく来たよく来た!!」

大歓迎で迎えてくれたのは、佳佑の母親と、祖母の2人。
そのすぐ後ろで父親の姿も見える。

駐車場という名の広い庭に車を進めていると、3人が待ち構えていた。

3人とも2回目ワクチンを打ち、2週間も無事過ぎたということで、今回のお盆訪問となった。

佳佑は、職場で1回目がおわったとこだ。
一般接種の汐里は、9月になると思われる。

マスクをきちんと付けて、車を降りる。

「ただいま」
「...こんにちは」

コロナ禍ということもあって、結婚して4ヶ月になるが、きちんとご両親にお会いするのは、2回目だ。
携帯でテレビ電話も何度かしているのだが、やはり実際に対面するのは緊張する。

ひときわ歓迎してくれるのは、祖母のきえ、だ。
お洒落が大好きな小洒落たおばあさん、と聞いていたが、薔薇柄のスパンコールマスクをして、カラフルな服装をしてなかなか目立つ。

「汐里さん!よく来てくれた〜!!」
「きえちゃん、声でか」

きえは、“おばあちゃん”と呼ばれるのを嫌がる。
「きえちゃん」と呼ばれたいのだとか。

きえちゃんとは、初対面だ。
結婚の挨拶をした日、お茶のお稽古でお出かけしてたらしく不在だった。

後から散々、
「聞いてなかった!聞いてたら待ってたのに!!」
と佳佑は怒られたらしい。

「初めまして。汐里といいます。よろしくお願いします」
「そうなのよね〜。初めましてよねぇ〜。きえです〜。汐里さんも“きえちゃん”って呼んでね〜」

しかし、流石に「きえちゃん」とは呼べない。

きえに強引に連れられ、家の中に入る。
そういえば、家の中も初めてである。

挨拶の時は、まだワクチン接種なども全くしてない頃だったので、玄関先で、しかもかなり距離をとって、数分立ち話をしただけだ。


まずは、豪勢なお盆の御祭りをしているところへ案内され、お線香をあげる。
お供え物と、ご挨拶の品をお渡しする。

先ほど、ちらりと寄った実家でも、ご挨拶の品を預かってきた。

本来なら行うであろう、両家の顔合わせも、まだ行ってない。
くれぐれも、しっかり挨拶なさいと、言われて来たとこだ。

「まぁ、ご丁寧に」


田舎のシキタリ的なものが、まだまだ避けて通れない地域だ。

なんとかこなしたようで、ほっとする。
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