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そぶりをやめて
第9章 160日 〜その1〜
さっきから、フラットな木のベンチに寝転んで、背中とか頭とか痛くないのかなと思ってたら。
膝枕狙いだったのね。
妙に納得するわ。

「ちょっとだけ。ちょっと、ね!」
「もーーー。じゃ、10数えるまでね」

こうなったら一向に引かないのは、ここ半年近くで十二分に理解させられた。

それに、このまま抱き着いて騒いでいたほうが、迷惑をかけてしまう。

さっさと打開策を提案するに限る。

「え、短っ」
「はい、じゅーう。きゅーう」

カウントダウンし始めると、慌てて膝の上に頭を置き直した。

本当にワンコみたい。

「やっべ。ちょー嬉しい」
「はち、なな、ろくごよさんにいちぜろ!」

後半はマッハ。
10数えるまで、って言ったもんね。
10秒とは言ってない。

「はい、終わりっ。はい、起きて」
「短っ。...でも、いいか」

ぶーたれると思ったけど、意外と納得してる。

納得してる割には起き上がろうとしない。

地面は石畳だから膝から跳ね除けたら危ないし、自分で起き上がってくれないと。

「ちょっと...」

向こうを向いていた頭が、上を向いて汐里を見上げる。

「マジ汐里、最高だよな」



そんな言葉が掛けられるとは思ってなかったので、一瞬固まってしまう。

そんな汐里をヨソに、佳佑は起き上がって伸びをしている。

え?なに??
最高、なことしたの?誰が??

ワンテンポどころか、それこそ10数えるぐらいで、心臓の鼓動が早くなったのを感じる。

時折、なんか変な事言うよね。うん。


「そろそろチェックイン出来るんじゃね?行ってみる?」

こっちのが管理棟には近そうだと、佳佑が来た道を折り返す。

「汐里?行くよ」

遊歩道を降りかけた佳佑が、振り返って手を差し出してきた。

結構な段差があるし、仕方ないから手を繋いで歩き出す。


行きは気づかなかったが、ちょうど真ん中あたりに、丸くて広めのエリアを見つけた。

真ん中にも丸い台のようなものがあり、覗き込むと灰のようなものや、鉄っぽい網のようなものが見える。

「夜、火をつけるのかな?」
「そうだよ、きっと。楽しみ!」

キャンプファイヤーなんて、小学校の林間学校以来だ。

「あ、あれだろあの歌!」「分かる!懐かしい!」

笑いあって2人で当時の定番の歌を歌いながら管理棟に向かった。
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