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そぶりをやめて
第9章 160日 〜その1〜
佳佑が婚約すると聞いて、兄弟や親戚まで家にやってきて、大宴会となった。
元婚約者のその彼女は、そういった田舎の風習を目の当たりにして、嫌だったらしい。
また、佳佑がそのうち歳を重ねると、転勤生活が終わって、この田舎に帰ることになる。
もっと歳を取れば、家を敷地内に建てて、敷地内同居するのが決まっていた。
そんな田舎の長男あるあるが、嫌で。
街に住みたい彼女と、田舎に帰ることの決まっている佳佑で、何度も話し合いになった。
佳佑としては、地元メインの銀行に勤めている限り、当然の流れで。それを知って付き合ってると思っていた。
彼女は彼女で、そうは言っても街なかに住むだろうと、タカをくくっていたらしい。
話し合う度、喧嘩になって。
そのうち、相手が折れるだろうと、お互いが思っていた。
結果、結婚式1カ月前に、佳佑がフラれるというカタチで終わった。
「1カ月前?え、1カ月前だったの?」
それって、結婚式の予約どころか、もう出席者に案内とか、スピーチや余興なんかも頼んでたり。
式や新婚旅行のキャンセル料金が、ありえないほど高額なんじゃ...。
その時の彼女は、別れて半年ぐらい後にデキ婚したらしい。
「時間かけて計画したりしてもさ、ダメな時はそんなだよ」
上手くいく時は、きっと来る。
この時は、きっとそんな流れじゃなかった。
「だからあの時、汐里が結婚したいって言った時、今だ!って思った」
ちょうど転勤で久々に地元に帰るのが決まってるのもあって。
今しかない。
流れは、今だ!
「完全に勢い、だね」
別に今さら驚かないけど。
愛し合って結婚した訳じゃないし。
「そう。だけど、今は上手くいってるじゃん」
繋いだ汐里の手に、佳佑が唇を寄せる。
「っ、ちょっと!」
くつろいで忘れてるかもだけど、ここ外だから。
手を払おうとしても、がっつり握られててどうにも振り解けない。
「汐里」
「なによ」
ん?そういえば、汐里って呼んでる?
「膝枕して」
「やだよ!」
何を言い出すかと思えば。
「えー。いいじゃん。そんな流れじゃん」
「どんな流れよ。...ちょっと、離れて」
腰の辺りに抱きついてきて、全く離れない。
元婚約者のその彼女は、そういった田舎の風習を目の当たりにして、嫌だったらしい。
また、佳佑がそのうち歳を重ねると、転勤生活が終わって、この田舎に帰ることになる。
もっと歳を取れば、家を敷地内に建てて、敷地内同居するのが決まっていた。
そんな田舎の長男あるあるが、嫌で。
街に住みたい彼女と、田舎に帰ることの決まっている佳佑で、何度も話し合いになった。
佳佑としては、地元メインの銀行に勤めている限り、当然の流れで。それを知って付き合ってると思っていた。
彼女は彼女で、そうは言っても街なかに住むだろうと、タカをくくっていたらしい。
話し合う度、喧嘩になって。
そのうち、相手が折れるだろうと、お互いが思っていた。
結果、結婚式1カ月前に、佳佑がフラれるというカタチで終わった。
「1カ月前?え、1カ月前だったの?」
それって、結婚式の予約どころか、もう出席者に案内とか、スピーチや余興なんかも頼んでたり。
式や新婚旅行のキャンセル料金が、ありえないほど高額なんじゃ...。
その時の彼女は、別れて半年ぐらい後にデキ婚したらしい。
「時間かけて計画したりしてもさ、ダメな時はそんなだよ」
上手くいく時は、きっと来る。
この時は、きっとそんな流れじゃなかった。
「だからあの時、汐里が結婚したいって言った時、今だ!って思った」
ちょうど転勤で久々に地元に帰るのが決まってるのもあって。
今しかない。
流れは、今だ!
「完全に勢い、だね」
別に今さら驚かないけど。
愛し合って結婚した訳じゃないし。
「そう。だけど、今は上手くいってるじゃん」
繋いだ汐里の手に、佳佑が唇を寄せる。
「っ、ちょっと!」
くつろいで忘れてるかもだけど、ここ外だから。
手を払おうとしても、がっつり握られててどうにも振り解けない。
「汐里」
「なによ」
ん?そういえば、汐里って呼んでる?
「膝枕して」
「やだよ!」
何を言い出すかと思えば。
「えー。いいじゃん。そんな流れじゃん」
「どんな流れよ。...ちょっと、離れて」
腰の辺りに抱きついてきて、全く離れない。