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世界で一番身近な女
第2章 姉の葛藤
ピピピピ…ピピピピ…
けたたましいスマホのアラームの音で
大介はハッと目覚めた。
窓からは明るい陽射しが降り注いでいる。
そんな中、真っ裸で眠ってしまった自分を悔やんだ。
初体験の甘美な興奮と緊張は
自分が思っていた以上に体を疲労させていたのだと知った。
『くそっ!俺ってバカだ!!
姉ちゃんとまだまだセックスしたいと思っていたのに寝てしまうなんて!!』
飛び起きてパンツだけを履いて階下のキッチンに降りて行くと、姉の紗希が朝食の準備をしていた。
「大介おはよう、ほら、早く朝ごはんを食べなきゃ遅刻するわよ」
昨日の朝と同じセリフ…
もはや昨夜の姉とのセックスが夢物語だったのではないかと思えるような日常がそこにはあった。
「姉ちゃん、夕べはゴメン!!」
大介は手を顔の前で合わせて拝むように謝った。
紗希はバスルームでのセックスの事を、この子なりに反省しているんだわと「いいのよ、気にしないで…お互いに忘れましょ」と水に流すセリフを返して上げた。
「姉ちゃん、もう一発したかったんだろ?
なのに俺、寝ちまって…」
大介は、セックスをしてくれるために部屋に来てくれたであろう紗希の期待に応えられなかった事を詫びていたのだ。
「ガッカリしたろ?
部屋に来てくれたのに俺が寝ていたから…
でも、その分、今からでも抱いてやるから大学を休んでくれよ!俺も高校を休むから!」
「はあ?何バカな事を言ってんのよ
学校を休んでまであんたに抱かれるつもりはないわ。
それに、今日は大事なゼミがあるから絶対にサボれないのよ」
じゃあ今夜!なっ、今夜もう一晩は親父たちが帰って来ないんだからさ、頼むよ、やらせてくれよ!!
まるで土下座でもしかねない勢いで
まるで紗希を霊験あらたかな仏像でもあるかのように拝み倒してきた。
「そうね…考えておくわ」
その場はそのようにでも言わないと
力付くで家から出してもらえないような気がして
嘘も方便だとばかりに大介に希望を持たせてあげた。