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世界で一番身近な女
第2章 姉の葛藤
「はい、では、今日はここまでにしましょう」
教授の一声で講義室の学生たちが一斉にバタバタと席を立ち始める。
講義室の出入り口は講義室の後ろにあるので、誰もが後ろを振り返って紗希たちに近づいてくる。
慌てて正樹はショーツから手を抜き出し、紗希も服の裾から差し込んでいた手を抜いた。
「大丈夫?体調が悪そうね?」
一人の女子大生が紗希に言葉を投げ掛けた。
当然である。
顔を真っ赤に紅潮させてハアハアと荒い呼吸をしていたのだから。
「ありがとう…大丈夫です」
そのように返事をしたが、自分の声が子宮に響き、体がビクビクッと痙攣したようになる。
「医務室に連れていってあげようか?」
紗希の様子がおかしいので、世話好きなのか執拗に声を掛けてくる女子大生。
「ありがとう、僕が責任を持って彼女を連れていくよ」
正樹がそう言ってくれたので、彼女は「お願いしますね」と言葉を残して講義室を後にした。
誰も居なくなった講義室で紗希は立ち上がれずにいた。
いや、変に立ち上がるとショーツがアソコに擦れて狂ってしまいそうになっていたからだった。
「こんなに濡れていたよ」
びっしょりと濡れた指をこれでもかと見せつけてくる正樹に「もう少しで逝っちゃいそうだった」と素直に感じていたことを認めた。
「なあ、晩めし、一緒に食おうぜ
その後…ホテルでさっきの続きはどうだい?」
正樹が紗希の体を求めてくるのは
今までの流れからして当然だった。
「行きたいんだけど…
家に帰って弟の食事の用意をしてあげないと…」
両親が旅行中で、弟の世話を母から頼まれているのだと白状した。
「弟さん、小さいの?」
「ううん、高校生だけど…」
「じゃあ、ほっておいても大丈夫じゃん
ハンバーガーなり、牛丼なり、勝手に食うだろ?」
「ええ…そうかもしれないけど…」
今夜は弟と昨夜のように危ない関係を結びたいと思っていた紗希だったが、正樹にヨリを戻そうと言われて、近親相姦よりも正常な男女関係を選ぶべきだわと、紗希は正樹と夜を共にすることを選んだ。