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世界で一番身近な女
第2章 姉の葛藤

一気に暇になってしまった…

今から何をしようか…
アダルト動画でも見て自分でシコシコするか…
いや、女の体を知ってしまった今となっては
自慰なんてバカらしくてやってらんない…

大場たちは楽しくカラオケしてるんだろうなあ…

そうだ!
今からでも仲間に入れてもらえないものかな?
用事があるって大見得を切って誘いを拒んだんだから、今さらノコノコ顔を出すのも悪いかな…

考え悩んだ挙げ句、
一人で暇をもて余すぐらいなら
バカにされてもいいから頭を下げて仲間に入れてもらうのが一番だと結論づけた。

恥を承知で大場に連絡を入れてみた。
呼び出し音がするのと同時に大場は電話を受けてくれた。

- おい、みんな!大介からだぞ -

もしもしもいわずに
電話をスピーカーにしたんだろう、急に賑やかな声や音がスマホから聞こえた。

「もしもし…俺だけど…」

- そんなことはわかってるよ
ちゃんとお前の名前がスマホに出てるから。
で?用事で忙しいお前が何の用だ? -

「あのさ…用事が思った以上に早く済んでさ…」

- で? -

「あの…悪いんだけど…
まだ間に合うんなら仲間に入れてもらえないかなあ…なんてね」

- ふぅ~ん…構わないけど、言葉が足りないな -

「言葉が…足りない?」

- 普通さ、仲間に入れて欲しいときは何て言うんだ? -

奴の魂胆は見え見えだった。
癪にさわるけれど、彼が待ち望むワードを俺は伝えてやった。

「仲間に入れてください…お願いします」

スマホの向こうでみんながバカ笑いしているのが聞こえる。
悔しいけれど暇になった時間を潰すには奴らと遊ぶしかなかった。

- オッケー、いいぜ
いつものカラオケボックスに15分後に集合な。
遅れるなよ!遅刻したら今度こそ仲間外れだからな! -

こちらが絶対に行くよという返事をする前に
唐突に電話が切れた。

「15分後だってえ?やべえ!早くしないと間に合わないぞ!!」

おしゃれに気を使っている暇などありはしなかった。
とりあえずその辺に脱ぎ捨ててあったジャージに着替えると、自転車に飛び乗って大急ぎで目的のカラオケボックスに向かった。
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