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世界で一番身近な女
第1章 世界で一番身近な女

興奮しているせいか、いつも以上に終焉は早かった。
画面では女がモザイクの中で、男のイチモツを咥えて頭を上下に振っていた。

特別刺激的なシーンでもなく、AVはほんのプロローグだったにも関わらず大介の肉筒の先からは大量のマグマが噴出した。

萎んでゆく己の肉棒をティッシュで拭きながら、大介は、ほんのちょっぴり自己嫌悪に陥っていた。
高3の夏が過ぎ去ろうとしていた。
悪友グループの中から一人、また一人と童貞を卒業していった。
大介は童貞を卒業するどころか、未だかつて女性と交際したこともなかった。

AVの女のような彼女ができて自分の好む快楽を与えてもらえたらどんなに素敵だろう…
フェラチオってどんな気分なんだろう。
いや、それ以上に女の体に自分の肉体の一部が埋没するってどんな感じなんだ?

オナニーよりも気持ちいいのだろうと思ってはいるが、運動会のフォークダンス以来、女性と手を握ったこともない大介には想像すらすることもできなかった。

『ああ…こんなオナニーじゃなく、本当の女とやりてえなあ…』

一発抜いて気持ちの昂ぶりが静まった大介は、 いよいよ挿入シーンに差し掛かるAVをボーッとしながら眺めていた。

それから数時間が経過した。

大介はエアコンを強冷にしたままいつのまにか眠ってしまったようだ。
素っ裸の体は芯から冷えきっていた。
大介は寒気を感じて目を覚ました。
途端にブルルと体の震えを感じた。

「いけねえ…風邪ひいちまうよ」

バスタブに湯を張り、とりあえず冷えた体を温めることにした。
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