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世界で一番身近な女
第5章 両親の帰宅
「やっぱりお前たちは学校に行きなさい」
こんなことで学校を休んではいけないと
無理やり家を追い出された。
「姉ちゃん、今から大学に行くのか?」
大介としては、このまま学校をズル休みして
姉と一緒にカラオケルームにでも行って
あわよくば昨日、乃梨子を抱いたようにカラオケルームで姉を抱こうと企んだ。
「そうね…単位も落としたくないし、
暇潰しにセミナーに顔を出すことにするわ」
それは嘘で、今から正樹と連絡を取り合ってデートに誘い出そうと思っていた。
駅前で姉と別れた大介はクルリと背を向けて
来た道を戻り始めた。
昨夜はオナニー三昧で眠くて仕方ないので、
こっそりと家に戻って自室で寝てやろうと考えていた。
大介が帰ってくるのも知らずに
父の洋介は寝室で荷ほどきをする妻の希美枝の尻を眺めていた。
旅行帰りで体は疲れているはずなのに
やけに股間の男性シンボルが元気すぎてギンギンになっていた。
夫の洋介が淫らな気分になっているとも知らずに
妻の希美枝は「コーヒーでも飲む?」と、のん気にソファに寝そべる洋介の横に腰を下ろし、入れたばかりのコーヒーを啜りはじめた。
正午を過ぎたばかりだと言うのに、やたらと眠けが襲ってくる。
「なんだか眠いわね…これが時差ボケってやつかしら?」
妻の希美枝が真面目な顔をしてそんなことを言い出すものだから、洋介は飲みかけていたコーヒーを吹き出しそうになった。
「おいおい、海外旅行といっても台湾だぞ
時差なんてあってないようなものだし、時差ボケなんてなるわけないだろ」
窓の外はまぶしいほどの陽光が降り注いでいる。
カーテンを閉めてもわずかな隙間から陽が射し込む。
「…母さん…暇だし…風呂にでも入るか?」
洋介は読んでもいない雑誌をぺらぺらと捲りながらコーヒーを啜る希美枝に声をかけた。
「…えっ!…一緒に?…イヤよ」
「何言ってんだよ…紗希が産まれる前までは平気で一緒に入ってたじゃないか…
いいよ俺一人で入ってくるから…」
洋介は不貞腐れたようにソファーを立つと、
希美枝に振り向きもせずに浴室へ向かった。
『そう言われれば…混浴なんて久しぶりだわね
もう熟年夫婦なのに、変に意識するのも変かしら?』
希美枝はちょっと躊躇いながらも、
不貞腐れた洋介が気になり、夫の後を追うよう
に浴室へ向かった。