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禁断の自由形
第1章 水泳部の夏合宿
「先生…気持ちよかったわ」
二人の少女が満足した表情を浮かべながら水着を着用しはじめた。
医務室に連れてゆくと部員たちに宣言してから かなりの時間を要してしまった…
早くプールに戻らないと部員たちが心配しているだろう。
吉本もブーメランビキニの海パンをあわてて履いた。

「いいか樋口、少しは足を痛めた素振りをしてくれよ」
「わかってますって」
そう言って、これでいい?と少し足を引きずって歩く真似をした。
プールに戻ると、吉本たち3人の姿を見つけた主将の相川育美が駆けつけてきた。

「陽子、足は大丈夫?」
育美は心配そうに陽子の足を見つめた。
「大丈夫、大丈夫。ちょっと足がつっただけだから」
そう言いながら少しビッコをひきながら軽傷だということをアピールした。
「無理しないでね…」

相川は陽子の前にひざまづいて痛めたという足を撫でてあげた。
「樋口さんは念のため、今日のこのあとの練習は見学しなさい」
吉本は、一応コーチらしい言葉を陽子に言ってみた。
「さあ、あとの皆んなはビシバシしごくからな」 そう号令をかけると、全員が「ええ~?」と、あからさまに悲壮な声をあげた。
しかし、さすが桜川先生からコーチングされているメンバーだ。 全員が拒否することなく、黙々と練習をこなしていった。
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