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バツイチと言わせない
第7章 決着
蒼太と美穂子が肉体関係を結んだ頃、
希美子の事情聴取が終わり
康介のお見舞いにやってきた。
「この度は本当に申し訳ございませんでした」
玄関先で迎えた康介の母に
希美子は90度に腰を折って深々とお辞儀をした。
「なに言ってんのよ~、
希美子さんも被害者じゃないの。
悪いのは笹崎って男よ」
「いえ、でも私が助けを求めたから
息子さんが怪我をすることになってしまったわけで…」
「あ~、あんなの怪我のうちに入らないわよ~。
脳みそが飛び出て誰かの脳みそと入れ替えてもらいたかったぐらいよ」
あなたは何も悪くないのよと慰めても
希美子はひたすら詫びるばかりだった。
「玄関先でってのもなんだし、
上がってちょうだい。
そして二階で寝てるバカ息子の顔でも見てあげて頂戴」
二階の突き当たりの部屋にバカ息子がいるからと康介の母に背中を押された。
「あとでお茶を持って行くわ。
紅茶とコーヒーとどっちがいい?」
「いえ、ほんとにもうおかまいなく…」
そう告げて希美子は康介の部屋へ向かった。
康介はベッドで爆睡していた。
笹崎と格闘したのち、
一晩中警察から事情聴取されていたので
傷の痛みよりも睡魔が勝ったのだ。
希美子はベッドの脇にひざまづき、
ソッと康介の手を握った。
「ごめんなさい…そしてありがとう…」
涙が頬を伝った。
「なに泣いてんだよ」
康介がいつの間にか目を覚まして
希美子に微笑みかけた。
「だって…だって…
大事な人に怪我までさせちゃって…」
康介の笑顔を見て
今まで張り詰めていたものが一気に堰を切ったように涙となり、 38歳の女というより生娘のように泣き崩れた。
「もう泣くなって」
希美子の肩を抱こうとして
体を起こそうとすると傷が痛んだ。
「いててて…」
「大丈夫?」
「割と痛いんだよね。
だからさ…希美子が…来てくれよ」
そう言ってキスのおねだりをした。
希美子の事情聴取が終わり
康介のお見舞いにやってきた。
「この度は本当に申し訳ございませんでした」
玄関先で迎えた康介の母に
希美子は90度に腰を折って深々とお辞儀をした。
「なに言ってんのよ~、
希美子さんも被害者じゃないの。
悪いのは笹崎って男よ」
「いえ、でも私が助けを求めたから
息子さんが怪我をすることになってしまったわけで…」
「あ~、あんなの怪我のうちに入らないわよ~。
脳みそが飛び出て誰かの脳みそと入れ替えてもらいたかったぐらいよ」
あなたは何も悪くないのよと慰めても
希美子はひたすら詫びるばかりだった。
「玄関先でってのもなんだし、
上がってちょうだい。
そして二階で寝てるバカ息子の顔でも見てあげて頂戴」
二階の突き当たりの部屋にバカ息子がいるからと康介の母に背中を押された。
「あとでお茶を持って行くわ。
紅茶とコーヒーとどっちがいい?」
「いえ、ほんとにもうおかまいなく…」
そう告げて希美子は康介の部屋へ向かった。
康介はベッドで爆睡していた。
笹崎と格闘したのち、
一晩中警察から事情聴取されていたので
傷の痛みよりも睡魔が勝ったのだ。
希美子はベッドの脇にひざまづき、
ソッと康介の手を握った。
「ごめんなさい…そしてありがとう…」
涙が頬を伝った。
「なに泣いてんだよ」
康介がいつの間にか目を覚まして
希美子に微笑みかけた。
「だって…だって…
大事な人に怪我までさせちゃって…」
康介の笑顔を見て
今まで張り詰めていたものが一気に堰を切ったように涙となり、 38歳の女というより生娘のように泣き崩れた。
「もう泣くなって」
希美子の肩を抱こうとして
体を起こそうとすると傷が痛んだ。
「いててて…」
「大丈夫?」
「割と痛いんだよね。
だからさ…希美子が…来てくれよ」
そう言ってキスのおねだりをした。