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僕らの複数プレイ
第2章 観覧車、そして…
藤宮さんに逢うことができたのは、その4日後だった。

待ち合わせ場所は、水族館の近くの駅。
僕は藤宮さんを水族館に誘ったのだ。

男女が2人で水族館…これはもう、デートと呼んでいいだろう。

もちろん、僕にとっては人生初めてのデート。
ドキドキする。

それだけでも僕はテンパりそうなのに、でも、単なるデートじゃ無い。
僕は今日、藤宮さんとセックスするのだ。

駅から水族館までの道を、2人で並んで歩く。

「亮くんが一緒じゃないなんて、何だか申し訳ないわね」
藤宮さんが言った。

「仕方がないよ。 水族館の券が2枚しかないから…」
僕は嘘をつく。

水族館の前売り券はたくさん売っていたけど、僕は2枚しか買わなかった。
亮には申し訳ないけど…。

「どうして私を水族館に誘ってくれたの?」
藤宮さんが尋ねる。

「合格発表の日に電車の中で、水族館に行きたいって、藤宮さんが言ってたから」
僕は藤宮さんに答える。

「ありがとう! 覚えていてくれたのね」
藤宮さんが満面の笑みになる。

キツネ目でツンとした顔立ちの藤宮さんだが、笑顔は可愛い。

水族館を選んで正解だった。
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