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蒼い月光~くの一物語~
第11章 三つ巴の交わり
「八重、今宵は いの一番にお前と交わる」
そう告げられて八重は驚いた。
てっきり正室の千代に
寵愛を授けると思っていたからだった。
剣山は八重を押し倒すと上にのしかかり、
首筋に接吻の雨を降らせた。
「よ、よいのでしょうか?
正室を差し置いて側室が先に
寵愛をうけるなど‥‥」
千代の方を振り向くと、
千代は三つ指をついてひれ伏したままの姿で
じっとしていた。
「かまわん‥‥お前は昨夜、
儂(わし)たちの交わりを盗み見して
悶々としたのであろう?
あの、興奮を今夜は千代に与える‥‥」
ああ‥‥なんということだ
あの蛇の生殺しを
千代に味あわせると言うのか‥‥
千代は湯殿で八重にいたずらをされて
淫気が高ぶっているはず。
恐らく、体が火照って火照って
仕方ないに違いない。
昨夜の八重のように
体を隠す衝立(ついたて)がないから、
ひっそりと自分で慰める事もできまいに‥‥
八重と交わり、剣山が吐精するまで、
まんじりともせずにひれ伏したまま
時間の流れを堪え忍ばねばならぬと言うのか‥‥
「と、殿‥‥一計がございます」
大きな乳房を揉まれ、
官能の渦に巻き込まれる前に、
とっさに浮かんだ考えを剣山に提案した。