この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蒼い月光~くの一物語~
第11章 三つ巴の交わり
男一人と女二人が
川の字になって静かな寝息を立てていた。
静寂の闇の中で寝息だけが流れていた。
八重は濡れた股間の冷たさで目を覚ました。
『はっ!!快楽に溺れて
とんでもないことをしてしまった』
慌てて起き上がると、
寝間着を羽織り湯殿へ向かって走り出した。
子種を受け入れたあとは
すぐさま洗い流そうと決めていたのに
あまりの激しい交わりであったので あのあと、
気を失ってしまったようだ。
湯殿の湯はすっかり冷めていた。
ほとんど水といってもよかった。
だが八重はお構いなしに
桶にその冷めた湯をすくい取り
己の股間に流した。
何度も何度も冷めた湯を浴びせ、
指を突っ込んで一生懸命に掻き出した。
『私が千代さまよりも
先に身篭ってはならぬ!!!』
願わくば己の畑が姥桜ゆえ、
子種が芽を出さぬようにと念じながら
何度も何度も・・・
その時だった。
「案ずるな、そなたは懐妊しておらぬ」
そうはっきりと聞こえた。
「何奴?側室の湯浴みを覗くとは無礼千万!!!」
慌てて振り返ったが
そこには夜の闇が押し迫り人の気配すらなかった。