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蒼い月光~くの一物語~
第13章 決戦!
この!!この!!この!!!
八重はむちゃくちゃに懐刀を振り回してみたが、
男にひと太刀も浴びせることができなかった。
『八重どの・・・・がんばってくだされ・・・
あともう少しで解毒が完了いたしまする』
兵吉の手は痺れているものの
脚力は戻りつつあった。
だが、八重の動きなど
男にとって捕まえることなど
いとも簡単なことであった。
「ちょこまかとうるさいやつめ。
いい加減に往生せえや!!」
懐刀を持つ手を、
あっという間に鷲掴みされてしまった。
男は鉈を振りかぶって、
八重の脳天を打ち砕こうとした。
「八重~~~!!!」
千代は足元の小石を拾い上げると指で弾いた。
養父、疾風が教え込んだ「石弾丸」の技であった。
養父ほどの威力はないものの、
急所に当てることができれば
絶命させることも可能であった。
この一撃で・・・・
必死の思いをこめて弾いた小石は
無情にも男の肩をかすめただけだった。
先ほど男の鉈を受けて、
小刀を折られた時の衝撃が
手を痺れさせていたからだった。
「こいつも、お前もウザイ奴らよ!!」
まずは邪魔者から失せろと
八重の襟をぐいと引き寄せ吊るし上げた。